第23話 一年生の終わりが見えてきて

気づけば、キャンパスの空気が少し変わっていた。


 新入生だったはずなのに、

 もう「一年生」と呼ばれる側になる。


「早かったね」


「うん。でも、ちゃんと過ごした気がする」


 二人はベンチに座り、夕暮れを見ていた。


 派手な思い出はない。

 でも、失いたくない時間ばかりだ。


 蓮は思う。


 ――こういう日々が、続けばいい。


 そう願うこと自体が、

 少し大人になった証だった。

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