第10話 確認し合う帰り道

帰り道は、自然と会話が増えた。


「ねえ、さっきの授業さ」


「うん?」


「伊東くん……じゃなくて」


 薫が言い直す。


「……蓮」


「なに?」


 名前を呼び合うたび、少しだけ立ち止まってしまう。

 それが、二人の癖になっていた。


「やっぱり、変な感じしない?」


「する。でも……嫌じゃない」


「私も」


 しばらく歩いてから、薫が言う。


「ちゃんと、付き合ってるよね?」


「うん。何回確認するんだよ」


「だって……」


 薫は少しだけ笑って、視線を逸らす。


「嬉しいから」


 蓮は、胸の奥が温かくなるのを感じた。


 誰かに見せるための関係じゃない。

 二人で確かめ合うための関係。


 それでいい、と思えた。

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