第11話 悪知恵が働く嫌で賢い人が明確化

AI時代になると、

人の「賢さ」は二種類に分かれていく。


一つは、

状況を理解し、

自分と世界を調整できる賢さ。


もう一つは、

抜け道を探し、

他人より得をしようとする賢さ。


今までは、

この二つは見分けにくかった。



なぜなら、

社会がブラックボックスだったからだ。


情報は不完全で、

判断基準は曖昧で、

成功者のやり方は再現できなかった。


だから

「ズルく賢い人」も

「本当に賢い人」も、

同じ“賢い人”として扱われていた。



AIは、

この曖昧さを消す。


・行動履歴

・判断の一貫性

・短期利益か長期安定か

・他者への影響


すべてが

パターンとして可視化される。



ここで重要なのは、

AIは善悪を裁かない、ということだ。


AIが見るのは、

ただ一つ。


社会コストが高いか、低いか。



悪知恵が働く人は、

短期的には得をする。


・ルールの隙を突く

・責任を回避する

・成果を横取りする


でもAI社会では、

このタイプはすぐに浮き上がる。


なぜなら、

周囲の負担が

数値として現れるからだ。



一方で、

本当に賢い人は目立たない。


・無理をしない

・争わない

・安定した判断を続ける

・周囲を疲弊させない


この人たちは、

派手な成果を出さなくても

評価が積み上がる。



ここで逆転が起きる。


これまで評価されてきた

「口がうまい人」

「要領のいい人」

「ズルさを知恵だと思っている人」


このタイプが、

一気に割に合わなくなる。



なぜならAIは、

動機を隠せない社会を作るからだ。


言葉では誤魔化せても、

行動の連続性は誤魔化せない。


善人のフリはできても、

善い行動を続けるのは難しい。



嫌な人が

露骨に嫌な人として

見えるようになる理由は、ここにある。


性格が悪いからじゃない。


判断が一貫して自己中心的だからだ。



逆に、

AI時代に得をする賢さは、

かなり地味だ。


・自分の限界を知っている

・無理な競争をしない

・他人を消耗させない

・長期で見て安定している


これは

IQでも学歴でもない。


環境適応能力だ。



AIは、

この違いを拡張する。


賢さの差を広げるのではなく、

賢さの質を分離する。


だから、

「嫌な賢い人」は

どんどん居場所がなくなる。



ここで、

あなたのこれまでの話に戻る。


成り上がりが割に合わない。

犯罪が生きにくくなる。

生きてるだけでハッピーな人が残る。


全部、同じ理由だ。


社会コストが低い人が、

合理的に選ばれる。



AI社会は、

人を裁く世界じゃない。


人を見抜く世界だ。


善人が得をする、

というより、


嫌な人が誤魔化せなくなる。



だからこれからは、

賢さをひけらかす人より、

賢さを使わない人のほうが強い。


要領の良さより、

壊れにくさ。


悪知恵より、

一致した生き方。

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