第2話『炎のダンス』

 炎は嗤った。

 小さな少女のような、あるいは無邪気な鳥のような声で。

「虫ごときが、わたしに近づいては黒く燃えては地におちる!」

 ある炎もいった。愉しそうにくるくる回っている。

「虫は無視だよ! でも彼らはきっと、飛びつづけるんだ!」

 彼らの上のほうには照リつける星が廻り踊る様子を見守っている。

 虫は炎に近づきたいのか、それとも星に向かおうとするのか。

「ぼくたちに近づことこそ君らのやくめだ!」

 ——ぼくたちと名乗る炎たちは、星の目からすれば、揺らいで繋がり、そして一つとして一つとは言えなかった。

 炎はよじれ、回り、「彼ら」はひととき、一固体の「彼」になる。

 ——炎は炎だ。そんな意味では君たちは固たる虫とは変わらないんだよ。

 星はそんなことを憂いて、それでもクスリ、と微笑んだ。

「あ! 笑った!」

 炎の子どもたちは本当に嬉しそうに、たゆたい踊った。


 灰になるために虫が燃え尽き、彼らの間に炭が生じる。

 きっと、虫たちの精を奪って、彼らも固形になるのを夢見ているんだ。

 ——知らず知らずのうちに。

 ————あるいは、また、炎を周期する星もまた。

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