第2話 百合に挟まる男子

 月曜日。あたしはシイちゃんと一緒に登校している。昨日の令嬢ごっこも楽しかった。中学生一年になってから始めた令嬢ごっこ。


「私、思ったけれども、ルノちゃんは本当に私が居ないとダメだね?」


「どうして?」


「私以外と仲の良い人が居ないよね」


「うん。そうだよね」


 あたしは親友で幼なじみのシイちゃんのことが好き。幼稚園の頃に男子から意地悪されたことがあって。その時に助けてくれたのがシイちゃん。今でも覚えているよ。シイちゃんはカッコいいのだ。


「おはよう! ルノちゃんとシイちゃん」


 あ、同学年のケントくん。


「おはよう! 私に何か用かな?」


 シイちゃんはそう笑顔で返した。


 あたしは黙り込んでしまう。


「何もないよ? それじゃまた!」


「うん。またね!」


 先に走って行ったケントくん。


 あたしはちょっぴり嫉妬して自己嫌悪になった。シイちゃん、ケントくんのことが好きなのかな? モヤモヤ。


「あの、シイちゃんはケントくんのことが好きなのかな?」


「えっ? どうしたの? そんなわけないじゃん?」


「だって、今日も仲が良いから」


 あたしたちの登校は終わり、学校に入り下足室。


「私、思ったけれども、やっぱりルノちゃんは他にも仲の良い人が居ると変われる。絶対にそうだよ」


「そうかな?」


 あたしの情けないところは、シイちゃんに告白を出来ない。胸がキュウッてなる。苦しい。でも、この気持ちは変わらない。こんなにそばに居てくれているのに。またまた自己嫌悪。

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令嬢ごっこと百合 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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