初恋の呪い

聖澤

第1話

 初恋の人と結ばれる確率は何パーセントだろうか

 1%にしろ99%にしろ、どちらでもいい、僕は初恋の女性ひととは結ばれないのだから

 初恋の相手、篠原しのはら 美咲みさきが結婚式を挙げると知ったのは、夕方のことだった。会社からの帰り道、スマホに、


『結婚しました』


と、一言だけ。

 僕、二宮にのみや たつきは唖然とした。

 保育園の時から仲が良く「大きくなったら結婚しようね」と約束をした仲だった。だったのに、裏切られた。奪われた。僕の、美咲に告白し、美咲と付き合い、キスをして、プロポーズして、結婚する夢が割れたガラスのように粉々に砕け散った。

 僕は震える手でスマホに文字を打つ。


『おめでとう』


 一言だけ。今の僕には、それしか打てなかった。本当はおめでとうなんて一切思えなかった。美咲を奪っていったやつが憎かった、羨ましかった。僕だって結婚したかった。でもそれは叶わない。僕は涙を流しながら、とぼとぼと家に帰った。


 家に帰ると、スマホがブルルと震えた


『式はフロリダのDランドで行うから、樹も呼ぶね』


 フロリダ…Dランド…なぜ? 悔しさや喪失感よりも疑問の方が勝ってしまい、僕はキーボードを打つ。


「なんでフロリダのDランド?」

『旦那が某会社の御曹司で~(以下略) 』


 僕はとてつもない敗北感を感じるとともに、一つの希望の光に照らされた感覚がした。


 僕はとあるとこに電話をした。







【数か月後】



 今日は、待ちに待った美咲の結婚式。僕はとある場所にいた。


「準備はいいな、タツキ?」

「あぁ、」

「OK、タスクフォース223出動だ」



【美咲視点】


 今日は待ちに待った、待ちすぎて倒れそうになった〇〇さんとの結婚式。私はいまとても幸せだ。御曹司と結婚できるなんて、その人がとても優しい人だなんて、Dランドで式を挙げれるなんて、たくさんの参列者に祝われるなんて、本当に私は幸せ者だ。幼馴染の樹が来なかったのは少し心残りだったけど。まぁそんなものはどうでもいい。


 Dランドを貸し切りにして私たちの式は順調に執り行われた。いよいよ誓いのキスと言ったところで、私と〇〇さんは壇上に上がり神父の言葉を聞いていた


「新郎〇〇 あなたはここにいる美咲を

病める時も 健やかなる時も

富める時も 貧しき時も

妻として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います。」

「新婦美咲、あなたはここにいる〇〇を

病める時も 健やかなる時も

富める時も 貧しき時も

夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います。」


「では、誓いのキスを。」


 私と〇〇さんは互いに一歩近づき、〇〇さんが私のベールをめくって、唇を近づけてくる。私も応じるように唇を差し出す。もう少しでキスができる、そう確信し私が目を閉じたとき、突然、ピュンと音がした。

 そして感じるはずの唇の感触がなかった。私がゆっくり目を開くと目の前の〇〇さんの姿はなかった。探そうと左を向くと、〇〇さんは頭が赤く濡れて倒れていた。

 その時、〇〇さんのボディーガードの人が叫んだ


「狙撃だ!身を隠せ!」


 私はボディーガードの人に覆いかぶされた。私は理解する間もなく覆いかぶされたので状況を整理しようとした。

 狙撃…誰が撃たれたの?…まさか…〇〇さん!?

 私は〇〇さんが撃たれたことをやっと理解した


「いやぁ!〇〇さん!〇〇さん!」

「奥様!今は落ち着いてください」


私は暴れた。しかし屈強なボディーガードには勝てず、次第に落ち着きを取り戻した。



 すると、遠くから、風を切る音がしてきた。音が近づいてくるとその音がヘリコプターだと分かった。





【樹視点】


「レッカー、ナイススナイプだ」

「サンキュータツキ」


 俺はリトルバートの座席に座り、狙撃手レッカーにそう伝えた。

この襲撃は俺が数か月前から計画し、それをPMC「シャドウ・スピア」と実行したのだ。なぜ、PMCを動かせるのか、それは秘密だ。


 ヘリが指定ポイントに到着し、ロープを垂らす。

俺はフルカスタムされた89式のコッキングレバーを引くと、ロープに乗り移り降下していく。それに続いて数名のPMC隊員も降下していく。


 さぁ、美咲奪還作戦の始まりだ。憎い〇〇は弾丸が脳を貫き、即死だろう。あとは、美咲を取り戻すだけだ。

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