第2話

1.死後そして…


目が覚めると真っ白な空間にいた。


私は死んだのね…何で…何が起こったの…

グリム王子の横にいたロクサーヌて誰…


何が起こったのか全く分からず途方に暮れていると目の前が光り輝いた。


女性が現れた

背中に10枚の美しい極彩色の羽がある

その姿はまるでアストレア様の像のように


『あぁ…カティア…来てしまったのね…』

白い空間に悲しい声が響く。


そして私を優しく抱く。


暖かい、さっきまでの黒くもやもやして苦しい気持ちが浄化された。


『抱きついてごめんね

自己紹介がまだだったわね、私はアストレアよ』


アストレア様!とんでもありません!

心が落ち着きましたありがとうございます。


『こんな事になるなんて思わなかったわ

あなたは本当なら第1王子と結婚し世界を導く存在だったのよ

第2王子は国家反逆罪で既に死刑になってるはずだったの

でもこの世界、アトランディアに異物が入ったの』


『創造神様の目すらも盗んでこの世界に来たモノに世界の理を歪まされたの

私は妹達と聖獣フェンリルと世界を調査していたの

私が聖法国の異変に気付いて急いで

フェンリルを呼んだけどあの子も世界の異物に襲撃されてたの

それで後一歩で間に合わなかった…』


私の背後から突然もふもふしたモノが覆い被さって来た!


『カティア!ごめんね…僕は君を護れなかった…』


神話の神獣フェンリル!?

すごく大きくて可愛い。

頭を私に擦り付けて来る、くすぐったい

そして息苦しい…


『フェンリル!やめなさい!

カティアが苦しがってるでしょう!』


フェンリルはカティアから渋々離れた。


『ごめんねぇ〜今は我慢する。』

フェンリルはシュンとした。


ううん、気にしないで、フェンリルさん

もふもふで気持ちよかったよ。


『ホント!?じゃあまた後でするね!

あとあの人間のグリムとか言う奴と女は魂が残らない位八つ裂きにして消し炭にしてやったよ!

ついでに国も消して来た!』

フェンリルは尻尾を振りながらハァハァしてる。


え…聖法国が消えたの?


『うん!カティアが居ない世界なんてどうでもいいし

頭にきてたから極大魔法で跡形もなく消し炭にしてやったよ!』


可愛いのに発言が怖い…


『悪い子ね国まで滅ぼす事ないでしょうに

でもよくやったわ、あなたがやらなくても私がやったもの

神使のカティアにこんな扱いをした国なんて存在してはいけないもの』


しんし?私ですか?


『そうよ、神使

あなたは神威で世界に安寧をもたらすはずだったの

今はまだ完全に神威の力に目覚めて無かった…

覚醒したあなたならあんな攻撃傷一つ付かないわ』


そうだったのですね、私は結界を展開して何も出来ませんでした

前教皇様から心技体鍛えられて来ましたが修行が足りませんでした。


『気にする事は無いわ

創造神様が最初から覚醒した状態で下界に送れば良かったのよ!

私は言ったんだから!』

アストレア様はプンプンしている。


フェンリルも追随する。

『そーだそーだ!』


アストレア様の後ろが輝いた。


『そう言うなアストレアにフェンリルよ

神威に覚醒した状態の赤子など身体が耐えられん』


『『ふん!』』

アストレア様とフェンリルはそっぽを向く。


『カティアよ天寿を全う出来ず残念だったな』


あなた様は…


『私は創造神だ、カティア頼みたい事がある』


私にですか?何でしょうか?


『私が創ったこのアトランディアに別の次元から異物が入った

私でも感知できぬほどの小さな異物だ

アストレアや他の神々や神使のおかげで殆どは消滅した

だが異物の根源を絶たねばまた世界に歪みが出る

お前には最初の歪みが起こった時代に逆行して転生してもらいたいのだ』


転生ですか?私は新たな生を頂けるのでしょうか?


『あぁ、私もお前には天寿を全うして欲しい

お前も自分を殺した奴らを許せぬだろう?』


確かに…私は謂れのない罪で理不尽に殺されました

品行方正に生きて来ましたがグリムとロクサーヌ…あの者たちが…憎いです。


『魂に怒りを宿せそれは力になる

次の生は心のままに生きよ

自分を殺した理不尽な世界にした原因を排除するのだ』


わかりました、私はこれからどうすれば良いのでしょうか?


『ああ、今から10年前聖法国のある侯爵家が没落した

本来の正史ならその侯爵家は国の王の従臣だ

それが悪の限りを尽くし没落した

そこから世界は歪みはじめた』


聞いた事があります、バスティオン侯爵家

確か獣王国カルナックに戦を仕掛けたと…


『ああ、正史ではそのような事は起こらない

世界は魔族を討つために一つになっているはずなのだ

私の力で次元に穴を開ける

カティアお前にはその侯爵家の長女に転生してもらう

お前の魂を極限まで強化した

今のお前に刃物や毒は効かない

歪みの根源の排除を頼むぞ』


私の身体から力が溢れてくる。

はい、必ず天命を果たします!


『創造神様待ってよ!僕も行かせて!

次はカティアを護るんだ!』

フェンリルが創造神に言う。


『フェンリルお前の強大な魂では次元の壁が歪む

無理だ…いや、力の9割を此処に置いて行け

10年後取りに来るのだ』


創造神様の問いにフェンリルは答える。

『わかったよ!小さくなるけど頑張る!』


そしてフェンリルの体から光り輝く玉がでた。

フェンリルは子犬サイズになってしまった。


フェンリルさん私と来ていいの?


『もちろんだよ!今度はずっとカティアと一緒だよ!』

子犬になったフェンリルはカティアに抱きついた。


ありがとう、フェンリルさん

すごく可愛いくなったね。


『神威の力は殆ど無くなったけど全然さいきょーだよ!』

フェンリルは尻尾を振りながら胸を張る。


『ではこれから10年前に転生させる

カティア、フェンリルよ世界を頼んだぞ』


私とフェンリルさんはこうして10年前の聖法国に転生した。

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