第3話家族を増やしましょう
「とろろんさん、あのモンスターを攻撃してください!」
スライムと同じく、雑魚モンスターであるベビーキノコ。このモンスターは反撃してきません。いわゆる初心者が、経験値を稼ぎをするためのモンスター。
それに向かって、攻撃するとろろんさん。ペチンと体当たりの物理アタックをお見舞いしている。そこまでは良いのですが……とろろんさんの最初の攻撃で入ったダメージ量は僅か1。
対するベビーキノコの体力は100。これじゃ百回攻撃しなければ倒せません。
そうこれが戦闘面において『テイマー』が不遇たる所以なのです。
このジョブはプレイヤースキルに左右されるものではありません。バトルは従魔が頑張ってくれるからです。ですが、その特性が逆に悪い意味で作用している。従魔が弱ければ戦闘でも強く立ち回れる訳はなく、かといって『テイマー』自身には攻撃手段がない。ハッキリ言って『テイマー』を選んでしまったら最初から詰みなのです……。
でも、これが良いのです! これくらいゲームはシビアじゃなければ面白くありませんもの!
それに、ここからどうやって脱却するかは、プレイヤーの腕次第なのですから!
「とろろんさん頑張ってください!」
「プリュー!」
とろろんさんが心なしか頼もしく見えます。でも、どう足掻いても与えらるダメージは1……。今やっとベビーキノコの体力が98になった。
これでは時間があまりにもかかりすぎますー!
「とろろんさんここはひとまず撤退しましょう!」
「プリュン!」
私たちは戦闘から一時撤退した……。
「うーん、どうしましょうか……。さすがに雑魚モンスター一匹を倒すのに、あんなに時間はかけてられませんし。何か良い方法はないでしょうか?」
「プーリュー……」
とろろんさんが、慰めるように私の手に触れてきた。粘液で出来た手が当たっている。冷たくて気持ちいい。
「ふふっ、大丈夫ですよとろろんさん。何とか一緒にやっていきましょうね。私達はもう家族なんですから」
「ピュリュリュー!」
とろろんさんが飛び跳ねている。
「ふふっ、元気一杯みたいですね。ん、家族? そうか! そうですそれです。家族なら増やせば良いだけなんですよ!」
「プリュ?」
「スライムさーん! どこですかー?」
私達は今『最初の町』の近くにてスライム探しをしている最中。
また一匹のスライム従魔を従えるためにです。
よくよく考えてみれば、『テイマー』が従魔を一匹しか付けられないなんて制約は、どこにも書いていなかったのです。なので単純に戦力として、スライムさんを一度にたくさん使役するのはどうかと考えてみたのです。丁度『従魔食』も余っていることですしね。
「プリュプリュー!」
とろろんさんがここにいたよー、と言わんばかりの声を発した。私、案外スライムの言葉が分かるものですね。
とろろんさんが示す方向を見ると確かにスライムがいました。
「あ、本当だ。いましたね。じゃあ、早速これをあげましょうか」
桃太郎印の『従魔食』をプレゼント。それを先ほど見つけたスライムにあげた。アムアムと食べている。
「ププッー!」
スライムさんが元気一杯な声を出した。そして『おめでとうございます。スライムのテイムに成功致しました』というウィンドウ画面が表示された。
「やりましたー! これで二匹目のスライムさんを従魔に出来ましたー!」
「プリュ」
「ププ」
どうやら二匹のスライムさん達が会話しているようです。なんとも微笑ましい光景ですね。
「あなたのことはプリンさんて呼びますね。鳴き声もなんかそんな感じですしね」
「プップープップー!」
なんだか嬉しいそうです。プリンという名前、気に入ってくれたみたいです。
「よし、これで戦力が単純に二倍になりました。あとはもう三匹欲しいところですね」
その後もスライム探しは続き、見つけてはテイムし、見つけてはテイムの繰り返し。
そうして無事に五匹のスライムを従魔にすることが出来ました。20%の成功確率はどこへやら……です。
「とろろんさん、ぷりんさん、ぶるーさん、ぽんさん、ぷーさん。これからみなさんよろしくお願いしますね!」
「プリュリュー!」「プププー!」「ブールー!」「ポーポー!」「プンプン!」
みんな一斉に返事をしてくれた。ああ、みんな可愛いなあ。
「ハム☆star」現在ステータス
レベル1
・HP250
・MP 0
・STR 0
・VIT 50
・LUCK 14 5
・AGI 45
・INT 20
・装備なし
・アイテムなし
・所持金8500G
・習得スキル
テイム 料理スキル
従魔 スライム五匹(とろろん)(ぷりん)(ぶるー)(ぽん)(ぷー)
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