花の下の約束――True Ending ver.

彼は思った。

この早くなる心臓のリズムも人ごみの喧騒も何もかも一年前のあの日からそのまま持ってきたような錯覚に陥るほどデジャブを感じる。


彼女は思った。

この日、あの夏祭りから一年が経ち今度は君から誘ってくれたことをとても嬉しく思っていた。


「あれからもう一年だね。」

「そうだね」


二人は互いに言い出すタイミングも言葉も見つけることが出来ず、ドキマギした静けさが横たわる。


彼女が思い切って口を開く。

「ねえ、覚えてる?あのとき、二人で、」そうして、彼女は彼からの返答を待つ。


彼はそれにはっきりと答える。

「もちろん、覚えているさ。」そう言うと彼女は安心したように破顔する。


彼女は彼を困らせるように

「実は、あの時本当は違うこと言ってたんだよね。」

「僕も、同じだ。」

「えっ...」


彼女が気を取り直して、挑発するような声で投げかける。

「じゃあさ、もう一回本当に伝えたかったこと。お互いに言い合わない?」


彼はこの時を待っていたかと言わんばかりに答える。

「もちろん、いいよ。」


彼女はついにこの積もった想いをようやく伝えられることに安堵し、答えた。

「わかった。せーの」

彼はあの時から少し低くなった声で、彼女は少し上ずった声で伝える。

同時に、二人の声が重なった。

「「――でした...」」

ドーンと花火が神のいたずらに操られたように騒ぎ出す。


また、遮られてしまったと彼女は悲しそうな思いを心に秘めた。

しかし、彼は違った。あの時、ウズウズと立ち止まってしまった彼はもういなかった。

今度こそ、この思いを伝えるんだ。


「君のことがずっと、好きでした。」

その言葉を打ち上げたとき、彼女は花火のように華やかに破顔した。

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