第3話「復讐の終わりは、愛の始まりではなかった」

 大樹との面会から帰った夜、私は圭吾と向き合っていた。


 マンションのリビング。二人の間に、重い沈黙が流れる。


「沙織」


 圭吾が口を開いた。


「俺、全部話す」


 私は黙って頷いた。


「大樹と瑠奈の関係——いつから始まったのか、全部」


 圭吾は深く息を吐いた。


「五年前だ」


 私の心臓が、止まった。


「五年前……?」


「ああ」圭吾は続けた。「俺が瑠奈と結婚していた時。君が大樹と結婚していた時。二人はもう、不倫していた」


 私の頭が——真っ白になった。


「つまり……私たちが結婚していた時から?」


「そうだ」


 圭吾は自分のスマホを取り出して、画面を見せた。


 そこには——五年前の写真。


 大樹と瑠奈が、笑顔で並んでいる。二人だけの写真。


「これ、瑠奈のクラウドに残ってた。俺が離婚後にアクセスして見つけた」


 私は——写真を凝視した。


 五年前。


 私と大樹が結婚して、一年目。


 私はまだ、大樹を愛していた。


 毎日幸せだと思っていた。


 でも——その裏で、大樹は瑠奈と。


「どうやって……出会ったの?」


「ビジネスの場だ」圭吾は説明した。「大樹の会社と、瑠奈の勤めていた会社が取引関係にあった。そこで知り合った」


 私は——拳を握りしめた。


「それで……瑠奈が大樹を誘惑した?」


「いや」圭吾は首を振った。「どちらからかはわからない。でも——二人は意気投合した。そして、お互いの配偶者を邪魔だと思い始めた」


 私の心臓が——激しく痛んだ。


「邪魔……」


「ああ」圭吾の声が、冷たくなった。「だから、二人は計画した。俺たちと離婚するための、計画を」


 圭吾の説明は——残酷だった。


 五年前、大樹と瑠奈は計画を立てた。


 まず、瑠奈は圭吾に冷たく接するようになった。食事中もスマホをいじり、圭吾の話を聞かず、夜も拒否するようになった。そして——圭吾が起業した会社に投資すると言って、実は裏で会社の資金を横領していた。


「瑠奈は経理を担当してた」圭吾は苦しそうに言った。「だから、簡単に金を抜けた。俺が気づいた時には、もう五千万円が消えていた」


 そして——離婚の時、瑠奈は「慰謝料と財産分与」としてその五千万円を要求した。


「俺は——何も知らなかった」圭吾は自嘲気味に笑った。「自分の金を盗まれて、それを慰謝料として払った」


 一方、大樹は——私に対して計画的にDVを始めた。


「DVは計算だった」圭吾は言った。「君を精神的に追い詰めて、自分から離婚を言い出させるために」


 私は——震えた。


 あの日々は——計画だった。


 携帯を叩き割ったのも。


 「お前が魅力ないから浮気した」と言ったのも。


 全部——私を追い出すための、計算。


「そして——二人は離婚に成功した」圭吾は続けた。「でも、すぐには再婚しなかった。なぜなら、俺たちが気づくから」


「だから……大樹はまりなと婚約して」


「ああ。カモフラージュだ」圭吾は頷いた。「でも、裏では瑠奈と付き合い続けていた」


 私は——言葉を失った。


 全部——嘘だった。


 私の結婚生活も。


 離婚も。


 全部、大樹と瑠奈に操られていた。


「それで……あなたは、この全部を知ってて」


「ああ」圭吾は私の目を見つめた。「半年前に、瑠奈のクラウドにアクセスして、全部知った。それで——君を探した」


「復讐のために」


「そうだ」


 圭吾は——頭を下げた。


「ごめん。君を利用した」


 私は——何も言えなかった。


 ただ——怒りが、燃え上がった。


 大樹と瑠奈への。


 そして——少しだけ、圭吾への。


「復讐しましょう」


 私は言った。


「二人を——完全に破滅させる」


 圭吾は——私を見つめた。


「本気か?」


「本気よ」


 私は立ち上がった。


「私たちの人生を狂わせた二人を、許さない」


 それから一週間。


 私たちは——大樹と瑠奈を追い詰める計画を立てた。


 まず、瑠奈の横領の証拠を集めた。圭吾が保管していた会社の資料、銀行の記録、メールのやり取り。全てを警察に提出する準備をした。


 次に、大樹の不正も調べた。大樹は会社の経費を私的に使い込んでいた。接待費と称して、瑠奈とのデート代を会社に請求していた。その証拠も集めた。


 そして——決定的な証拠。


 大樹と瑠奈の不倫の証拠。五年間の写真、メール、LINEのやり取り。全てを、まりなに送る準備をした。


「これで——二人は終わりだ」


 圭吾はパソコンの画面を見つめた。


「瑠奈は横領で逮捕される。大樹は会社をクビになる。まりなは大樹と別れる。二人は——全てを失う」


 私は——頷いた。


「やりましょう」


 そして——私たちは実行した。


 まず、警察に瑠奈の横領の証拠を提出した。


 次に、大樹の会社に、彼の不正経費の証拠を送った。


 最後に、まりなに、大樹と瑠奈の不倫の証拠を全て送った。


 全部——一日で。


 その夜。


 大樹から電話がかかってきた。


「沙織!お前、何したんだ!」


 大樹の声は——怒りと絶望に満ちていた。


「まりなが全部知った!会社にも全部バレた!お前のせいだ!」


 私は——冷たく答えた。


「私のせい?違うわ。全部、あなた自身のせいよ」


「ふざけるな!」


「ふざけてるのはあなたよ」私は続けた。「五年前から瑠奈と不倫して、私を利用して。そのツケが回ってきただけ」


「沙織……」


 大樹の声が——震えた。


「お前……全部知ってたのか?」


「ええ」


「俺と瑠奈が……計画してたことも?」


「全部」


 私は——笑った。


「ざまあみろ」


 電話を切った。


 その瞬間——私の心は、高揚していた。


 やった。


 復讐は成功した。


 大樹と瑠奈は——破滅した。


 私は——圭吾を見た。


 彼も——スマホを握りしめていた。瑠奈から何通もメッセージが来ているらしい。


「瑠奈から?」


「ああ」圭吾は画面を見せた。


 そこには——瑠奈の懇願のメッセージ。


「圭吾、助けて」

「警察が来た」

「お願い、証拠を取り下げて」

「私、刑務所に入りたくない」


 圭吾は——冷たく笑った。


「遅いよ、瑠奈」


 彼はメッセージを無視して、スマホを置いた。


 それから——私たちは顔を見合わせた。


「やったね」


 私は言った。


「やったな」


 圭吾も答えた。


 私たちは——笑った。


 復讐は成功した。


 でも——。


 その夜、私は眠れなかった。


 ベッドに横たわっても、心臓が落ち着かない。


 復讐は成功した。


 大樹と瑠奈は破滅した。


 なのに——なぜ、こんなに空虚なの?


 私は——リビングに行った。


 圭吾もそこにいた。ソファに座って、ぼんやりとテレビを見ている。


「眠れないの?」


「ああ」圭吾は答えた。「君も?」


「ええ」


 私は——圭吾の隣に座った。


 しばらく、二人で黙ってテレビを見ていた。


 それから——圭吾がぽつりと言った。


「なあ、沙織」


「何?」


「なんで……嬉しくないんだろう」


 私は——圭吾を見た。


 彼の顔は——疲れていた。


「わからない」圭吾は続けた。「こんなに準備して、こんなに憎んでたのに。いざ復讐が成功したら——何も感じない」


 私も——同じだった。


「私も……空っぽ」


 私たちは——顔を見合わせた。


 復讐は、私たちを幸せにしなかった。


 ただ「憎しみ」という柱を失って、私たちは何のために一緒にいるのかわからなくなった。


「俺たち——何してたんだろう」


 圭吾は自嘲気味に笑った。


「復讐のために結婚して、復讐のために憎んで。でも、復讐が終わったら——何も残らなかった」


 私は——何も言えなかった。


 なぜなら、それは真実だったから。


「沙織」


 圭吾が——私の手を握った。


「俺、君を愛してる。でも——君は俺を愛してるのか?」


 私は——答えられなかった。


 愛してる。


 でも——それは本物なのか?


 復讐のための契約から生まれた愛。


 それは——偽物なんじゃないか?


「わからない」


 私は正直に答えた。


「私、あなたを愛してる。でも——それが本物なのか、わからない」


 圭吾は——悲しそうに微笑んだ。


「そうか」


 私は——立ち上がった。


「ごめん。少し、一人になりたい」


 自分の部屋に戻った。


 そして——荷物をまとめ始めた。


 次の朝。


 私は——圭吾に別れを告げた。


「出て行くの?」


 圭吾は驚いた顔をした。


「ええ」


「どうして?」


「わからないから」


 私は正直に答えた。


「私、あなたを愛してる。でも——それが本物なのか、復讐のための感情なのか、わからない」


 圭吾は——何も言わなかった。


「復讐が終わった今、私たちは——もう一緒にいる理由がない」


「そんなことない」


 圭吾は私の手を掴んだ。


「俺は君を愛してる。本気で」


「本当に?」


 私は圭吾を見つめた。


「それとも、復讐の共犯者として、私が必要なだけ?」


 圭吾は——黙った。


 答えられなかった。


 私は——圭吾の手を振りほどいた。


「ごめん。でも、今は離れたい」


 そして——マンションを出た。


 私は——実家に戻った。


 母は驚いたけれど、何も聞かなかった。ただ「おかえり」と言って、私を迎えてくれた。


 自分の部屋に入って、ベッドに倒れ込んだ。


 涙が溢れてきた。


 圭吾。


 私は——あなたを愛してる。


 でも——信じられない。


 あなたは私を利用した。


 復讐のために。


 じゃあ、今の愛は?


 本物?


 偽物?


 私は——自分に嘘をついた。


「私は圭吾を愛していない」


 そう自分に言い聞かせた。


 復讐の共犯者として必要だっただけ。


 でも——夜中に目が覚めると、隣に彼がいないことに気づいて、息ができなくなった。


 圭吾の声が聞きたい。


 圭吾の顔が見たい。


 圭吾に——抱きしめてほしい。


 愛してる。


 愛してしまった。


 でも彼は私を利用した。


 じゃあこの愛は、本物?偽物?


 わからない。


 わからない。


 私は——毎日泣いた。


 一週間。


 二週間。


 一ヶ月。


 圭吾から、何度もメールが来た。


「沙織、話がしたい」

「会ってくれないか」

「俺は君を愛してる」


 でも——私は返事をしなかった。


 返事をしたら、また傷つく。


 また騙される。


 だから——無視した。


 でも——。


 二ヶ月が経った。


 ある日、母が言った。


「沙織、外に変な男の人がいるわよ」


「え?」


 私は窓から外を見た。


 そして——凍りついた。


 圭吾が、アパートの前に立っていた。


 ただ——立っているだけ。


 何もせず、ただそこにいる。


「知り合い?」母が聞いた。


「……ええ」


 私は——窓を閉めた。


 でも——その日から、圭吾は毎日そこにいた。


 朝、窓を開けると、圭吾がいる。


 夜、窓を開けると、圭吾がいる。


 雨の日も。


 雪の日も。


 一言も話さない。


 ただ、そこにいる。


 私は——無視した。


 でも——心が痛んだ。


 どうして、あなたはそこにいるの?


 どうして、私を待ってるの?


 三ヶ月が経った。


 九十日目の夜。


 私は——もう我慢できなくなった。


 窓を開けて、叫んだ。


「あなた、バカなの!?」


 圭吾は——顔を上げた。


 やつれていた。髪も伸びて、頬もこけている。


 でも——目は、まっすぐ私を見ていた。


「バカだよ」


 圭吾は答えた。


「九十日も立ってて、何が変わるの!」


「何も変わらない」


 圭吾は微笑んだ。


「でも俺は君を待つことしかできない」


 私の目から——涙が溢れた。


「バカ……」


 私は——階段を駆け下りた。


 アパートの前に出ると、圭吾がそこにいた。


 私は——圭吾を抱きしめた。


「バカ!バカ!」


 何度も叫んだ。


「どうして……どうしてそこまでするの……」


「君を愛してるから」


 圭吾は私を抱きしめ返した。


「君しかいないから」


「嘘つき……」


「本当だ」


 圭吾は私の髪を撫でた。


「俺は君を利用した。それは事実だ。でも——君を知ってから、君なしじゃいられなくなった」


「信じられない……」


「わかってる」圭吾は言った。「だから、九十日待った。これからも、ずっと待つ」


 私は——圭吾の胸で泣いた。


「私も……私もあなたを愛してる……」


「ありがとう」


 圭吾は優しく言った。


「でも——もう一度だけ、チャンスをくれ」


 私は——圭吾を見上げた。


「もう一度……?」


「ああ」圭吾は頷いた。「今度は、本物の結婚をしよう」


 それから一週間後。


 私たちは——再び向き合っていた。


 マンションのリビング。


 テーブルの上には——新しい契約書。


「これが……新しい契約?」


 私は契約書を見た。


 そこには——六つの条項が書かれていた。


新しい契約書


第1条:私たちは、またうまくいかないかもしれない。


 私は——圭吾を見た。


「うまくいかないかもしれない……?」


「ああ」圭吾は頷いた。「俺たちはバツ2だ。失敗してきた。だから——また失敗するかもしれない」


「でも……」


「でもな」圭吾は私の手を握った。「それでも、もう一度賭けてみたいんだ」


第2条:でも、もう一度だけ信じてみる。


第3条:今度こそ失敗したら、バツ3。人生の落伍者。


 私は——苦笑した。


「バツ3……人生の落伍者ね」


「ああ」圭吾も笑った。「でも、それでもいい」


第4条:それでも、あなたと賭けてみたい。


第5条:違約金はなし。ただ、毎日『愛してる』と言うこと。


 私は——涙が出そうになった。


「違約金、なし?」


「ああ」圭吾は言った。「もう、金で縛るのはやめる。ただ——毎日、愛を確認し合おう」


第6条:これは復讐じゃない。愛の契約。


 私は——契約書を見つめた。


 復讐じゃない。


 愛の契約。


 これが——本物の、結婚。


「……サインする」


 私はペンを取った。


「本当にいいのか?」圭吾が確認した。


「ええ」私は頷いた。「バツ3になるかもしれない。でも——あなたと賭けてみたい」


 私は——契約書にサインをした。


 藤崎沙織。


 いや——氷室沙織。


 圭吾もサインをした。


 氷室圭吾。


 二人のサインが並んだ契約書。


 それは——愛の、始まりだった。


 それから——私たちは新しい生活を始めた。


 毎朝、「おはよう、愛してる」と言い合う。


 毎晩、「おやすみ、愛してる」と言い合う。


 食事の時も、「愛してる」。


 仕事に行く前も、「愛してる」。


 何度も何度も、確認し合う。


 まるで——不安を打ち消すように。


 ある夜、ベッドで抱き合いながら、圭吾が言った。


「なあ、沙織」


「何?」


「バツ3になったらどうする?」


 私は——少し考えてから、答えた。


「その時は……バツ4を探しに行く」


 圭吾は——笑った。


「馬鹿だな、お前」


「あなたもね」


 私たちは——笑い合った。


 そして——キスをした。


 長い、長いキス。


 これは——本物。


 復讐じゃない。


 演技じゃない。


 本物の、愛。


 半年後。


 私たちは——本当の結婚式を挙げた。


 小さな式。親族と親しい友人だけ。


 ウェディングドレスを着た私を見て、圭吾は泣いた。


「綺麗だ」


「ありがとう」


 私も泣いた。


 誓いの言葉。


「病める時も健やかなる時も、あなたを愛します」


 私たちは——誓った。


 そして——キスをした。


 会場から、拍手が起こった。


 私は——幸せだった。


 でも——少しだけ、不安もあった。


 またうまくいかなくなるかもしれない。


 また傷つくかもしれない。


 でも——それでもいい。


 今は、この人と一緒にいたい。


 それだけで——十分。


 結婚式の後、二次会で友人が聞いた。


「沙織ちゃん、圭吾さんと出会ったきっかけは?」


 私は——圭吾を見た。


 圭吾も私を見た。


 私たちは——微笑み合った。


「コンビニで」


 私は答えた。


「偶然、出会ったの」


 嘘だった。


 偶然じゃなかった。


 圭吾は私を探していた。


 復讐のために。


 でも——それでもいい。


 その嘘から始まった愛が、今は本物になった。


 それで——いい。


 友人は「素敵ね」と言って、微笑んだ。


 私たちは——グラスを合わせた。


「乾杯」


「乾杯」


 グラスが触れ合う音が、響いた。


 その夜、ホテルの部屋で。


 私たちは——ベッドに横たわっていた。


「なあ、沙織」


「何?」


「後悔してない?」


 圭吾が聞いた。


「俺と結婚したこと」


 私は——少し考えてから、答えた。


「後悔してる」


 圭吾が——驚いた顔をした。


「え?」


「だって」私は笑った。「あなたと出会って、復讐して、泣いて、苦しんで——大変だったもの」


「ごめん……」


「でもね」


 私は圭吾を抱きしめた。


「後悔してるけど、幸せよ」


 圭吾は——微笑んだ。


「矛盾してるな」


「そうね」


 私たちは——笑い合った。


 それから——キスをした。


 そして——愛し合った。


 演技じゃない。


 契約じゃない。


 本物の、愛。


 翌朝。


 私は——目を覚ました。


 隣に圭吾がいる。


 穏やかな寝顔。


 私は——そっと彼の頬に触れた。


 温かい。


 生きている。


 ここにいる。


 それだけで——幸せ。


 圭吾が目を覚ました。


「おはよう」


「おはよう」


 私たちは——笑い合った。


 それから、同時に言った。


「愛してる」


 窓の外から、朝日が差し込んできた。


 新しい一日の始まり。


 私たちの——新しい人生の始まり。


 バツ2同士の、不器用な愛。


 でも——それでいい。


 完璧じゃなくても。


 不安があっても。


 また失敗するかもしれなくても。


 それでも——愛し続ける。


 それが——私たちの、契約。


 愛の、契約。


 エピローグ


 一年後。


 私たちは——まだ一緒にいた。


 喧嘩もした。


 泣いたことも、何度もあった。


 「もうダメかも」と思ったことも、ある。


 でも——別れなかった。


 毎日「愛してる」と言い合った。


 それだけで——乗り越えられた。


 ある日、圭吾が言った。


「なあ、沙織」


「何?」


「俺たち、バツ3にならずに済んだな」


 私は——笑った。


「まだ一年よ。油断しないで」


「ああ」


 圭吾も笑った。


「じゃあ、これからも頑張ろう」


「ええ」


 私は圭吾の手を握った。


「一生、頑張りましょう」


 圭吾は——私を抱きしめた。


「愛してる」


「私も」


 私たちは——キスをした。


 そして——思った。


 復讐から始まった愛。


 でも今は——本物。


 これで——良かった。


 私たちの物語は——まだ続く。


 バツ3になるかもしれない。


 でも——それでもいい。


 今は、この人と一緒にいたい。


 それだけで——十分。


 二人のバツ3は、まだ始まったばかり。


 でも今度は、本物。


(完)

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バツ2同士の復讐婚、愛してはいけない契約 ~元配偶者を見返すための偽装結婚、でも本気で愛してしまった~ ソコニ @mi33x

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