転生したのに女神がもやし栽培キットしかくれなかったので、無職即追放されましたが、育ててたら貴重品でした
Y.K
第1話 女神がもやし栽培キットしかくれなかった件について
目を覚ますと、真っ白な空間だった。
上下も左右も分からない。
床があるのかも怪しい。
「あ、これ死んだやつだ」
俺は即座に理解した。
社畜生活〇十年、ついに過労でいったか。
「はーい! ようこそ異世界転生者さま〜!」
テンション高めの声と同時に、光の中から女が現れた。
白いローブ。
金髪。
無駄に神々しいエフェクト。
――あ、女神だ。
「あなたは不幸にも死亡してしまいましたが!」
軽いな。
「お詫びとして、異世界で第二の人生をプレゼントします!」
はい来た。
テンプレ来た。
「職業は適性に応じて自動決定! スキルも最初にいくつか授けます!」
よし。
剣聖。
賢者。
農業チートでもいい。
「じゃあ、まずはこちら!」
女神が胸を張って、俺に差し出した。
……段ボール箱だった。
しかも、でかでかと書いてある。
【もやし栽培キット・初心者向け】
「……」
「……?」
「……女神さま?」
「はい!」
「これ、なに?」
「もやし栽培キットです!」
知ってる。
「えっと、スキルは?」
「後で出ます!」
「職業は?」
「それも後で出ます!」
嫌な予感しかしない。
「ちなみに、他には?」
「ありません!」
ドヤ顔だった。
「……え、待って。
剣とか魔法とかチートとかは?」
「もやしです!」
「いや、もやしは分かるけど!」
「栽培できますよ? すごくないですか?」
「スーパーでも買えるやつだよね!?」
女神は少し考えてから、こう言った。
「異世界のもやしは、きっと違います!」
根拠ゼロ!
「じゃ、じゃあ職業確認させて……」
俺は震える手で、半透明のステータス画面を開いた。
【職業】
無職(察してください)
「察せるかぁぁぁ!!」
「だ、大丈夫です!
もやし育てればなんとかなります!」
ならねぇよ!
「ちなみに追放とかありますか?」
「あります!」
あるんだ。
「えーっと、王都スタートで……
あ、最初のイベントが“即追放”ですね!」
最初のイベントが即追放!?
「え、キャンセルは?」
「できません!」
「リセマラは!?」
「できません!」
女神は満面の笑みで、親指を立てた。
「がんばってください!」
次の瞬間、視界がひっくり返った。
⸻
……そして俺は気づく。
この世界では、もやしが異常に超万能食材だということを、まだ知らない。
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