第6話 再び通勤電車
翌朝・・
今日は雨が上がって・・久しぶりに快晴だ。
私はいつものように代々木駅から山手線の内回り電車に乗り込んだ。
いつもの車両の、いつもの吊革につかまる。前に座っている中年の男性、私の右隣りで吊革を握っている若いサラリーマン、左隣で吊革を持っている眼鏡をかけたOL・・いつと同じ光景だ。
昨夜、私はアパートに帰ると・・カクヨムを一旦退会し、新たなペンネーム「恋するティーカップ」で再びカクヨムに登録したのだ。
それでも、私は不安だった。あまりよく寝られなかった。でも、通勤電車のいつもの光景を見て、私は安堵した。ようやく平穏が返ってきたと思った。
私はスマホを出して、カクヨムを開いた。
「恋するティーカップ」で、みんなに挨拶をしなきゃ・・
電車に揺られながら、私は「恋するティーカップ」として初めての近況ノートを書いた。そして、それをすぐにカクヨムに投稿した。
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恋するティーカップ
2026年X月XX日 XX:XX
初めまして
皆さん、おはようございます。
恋するティーカップと申します。
今日からカクヨムに参加します。
よろしくお願いいたします。
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すると、すぐに近況ノートにコメントが来た。
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お天気坊主
2026年X月XX日 XX:XX
恋するティーカップさん。おはようございます♪
あなたは・・僕の自主企画に参加していただいた、ゆめみんさんですよね(笑)
晴れにできなかったテルテル坊主さんには、困ったものですね。
役に立たないテルテル坊主は首をチョン切られるんだよ
役に立たないテルテル坊主は首をチョン切られるんだよ
役に立たないテルテル坊主は首をチョン切られるんだよ
役に立たないテルテル坊主は首をチョン切られるんだよ
・・・
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私は混乱した。
えっ・・!
ペンネームを変えたのに・・
どうして、「恋するティーカップ」が「ゆめみん」だって分かったの!
分かるはずがない・・
でも、どうして、このコメントが来たの・・?
そんなバカな!
思考がまとまらない。
そうするうちに・・私は恐怖に襲われた。
私のスマホを持つ手が震えた。頭からすぅっと血が引いていくのが分かった。
身体がフラッと揺れた。
私は片手で吊革、片手でスマホを持っている。慌てて・・目の前の吊革に頭をくっつけて身体を支えた。
吊革にしがみつきながら・・もう一度、スマホを見た。
お天気坊主からさらにコメントが入っていた。
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お天気坊主
2026年X月XX日 XX:XX
右を見てごらん
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えっ・・?
私は吊革に付けた頭を右に向けた。
いつも私の右隣に立っている若いサラリーマンが私を見ていた。サラリーマンが、自分のスマホの画面を私に見せた。
そこには・・カクヨムのお天気坊主のホームページが表示されていた。
戦慄が・・私の身体を貫いた!
こ、この男が・・お天気坊主!
いつも私の隣に立っている・・この男が!
それで分かった。お天気坊主が、私の「恋するティーカップ」という新しいペンネームを知っていたわけが・・
電車の中で、私のスマホのカクヨムの画面を盗み見て・・私にメッセージを送っていたのだ。
男がニヤッと笑った。
男が私の方に身体を寄せた。
私は恐怖で動けない・・
私の脇腹に何か尖ったものが押し当てられた。
私の近況ノートに再びメッセージが入った。
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お天気坊主
2026年X月XX日 XX:XX
声を出すと殺す
次の五反田で一緒に降りろ
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そのとき、「五反田~、五反田~」という車内アナウンスが聞こえた。
電車が五反田駅のホームに入っていった・・
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