ネオレア
ネモ
序章 空白
目を閉じるたびに、どこかで誰かの声がする。
懐かしいはずなのに、思い出そうとすると靄の向こうに消えてしまう。そう。ずっと何かが欠けているような、そんな気がしていた。耳の奥で笑い声が響くたび、胸の中が空っぽになる。雪の冷たさも、赤いマフラーも。すべて指先からこぼれていく。けれどその理由を、僕は知らなかった。
それでも僕は、変わらない時間を繰り返していた。当たり前に学校に行って、内容も忘れた退屈なテストを受けて、ご飯を食べる。日々は、何事もない顔で過ぎていく。
忘れてしまったのか。
それとも、思い出さないようにしているのか。
その答えが何なのか、僕はまだ知らなかった。
いや。知ろうとしていなかったんだ。
ネオレア ネモ @Nemo0821
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