ワニと小鳥

ごとうもろい

ワニと小鳥

いつものようにワニは口をあけて日向ぼっこをしていた。小鳥がやって来てワニの歯をつついた。口の掃除をしてくれているのだ。口の中を小鳥がちょこちょこ動き回る。ワニは小鳥が好きだった。二人は友達だった。

ただこの日はタイミングが悪かった。

緩やかな風がワニの鼻をくすぐった。むずかゆい。ハクション!大変だ!小鳥を飲み込んでしまった!

ワニは吐き出そうとしたが、上手くいかなかった。小鳥を一人にしてしまったと思った。悲しかった。

翌日、ワニはまた日向ぼっこをした。別の小鳥がやってきて、ワニの歯をつついた。すると突然ワニは口を閉じて、新しい小鳥を飲み込んでしまった。昨日の小鳥が寂しくないようにと思ったのだ。

翌日も、その翌日もそうした。ワニは毎日小鳥を飲み込み続けた。

数年後、強かったワニも年を取り、動かなくなった。体は川岸に打ち上げられ、何年も何年もかけて土にかえっていった。やがてワニの大きな骨が残った。

ある夜の事、ワニの骨のおなかのあたりから小鳥があらわれた。何羽も何羽も、次々とあらわれた。小鳥の数は数千羽にもなった。

小鳥たちはワニの骨を掴むと一斉に羽ばたいた。ゆっくりワニの大きな骨が浮き上がった。そうして月の光のなか、ゆっくりゆっくりワニを天へと運んでいった。

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