第5話 第5話記念・人気投票結果発表!!
その日は突然、始まった。
空に、無駄に豪華な文字が浮かぶ。
『第5話記念
キャラクター人気投票 結果発表』
「やる必要あった?」
おにぎりマンが言う前に、
勝手に発表が始まった。
第5位:おにぎりマン(クール系・語尾が低い)
「……俺が、守る」
第4位:おにぎりマン(熱血系・無駄に叫ぶ)
「正義は!俺だァァ!!」
第3位:おにぎりマン(闇落ち系・目に影)
「白米は……裏切らない……」
第2位:おにぎりマン(お調子者系・語尾w)
「え、俺また活躍しちゃう感じっすか?w」
第1位:おにぎりマン(無口最強系・一言だけ)
「……参る」
――静寂。
「……全部、俺じゃん」
本物のおにぎりマンが、
膝から崩れ落ちた。
「キャラ変えただけじゃん!!」
その瞬間。
ズドン。
天井が割れた。
フジキちゃーんが、
静かに降り立つ。
「……ふーん」
目が、笑ってない。
「人気投票?」
次の瞬間。
五人のおにぎりマンが、同時に吹き飛んだ。
理由は分からない。
説明もない。
気づいた時には――
全員、亀甲縛り。
「え、待っ――」
「静かに」
フジキちゃーんが言う。
五人のおにぎりマンを並べ、
見下ろす。
「……何で」
一歩、近づく。
「……こんな事、したんだ?」
さらに一歩。
「ああ!!?」
空気が、震えた。
※この「ああ!!?」の気迫は、
某背番号21番のアメフト漫画に出てくる
最強ドレッドに似ていたと
後日談でトッピングおじさんが語ったが
ここでは省略する。
「ひっ……」
五人のおにぎりマンが、
同時に縮こまる。
「……言え」
本物のおにぎりマンが、
震えながら口を開いた。
「だ、だって……」
涙が、米粒みたいに落ちる。
「主人公、僕なのに……」
声が裏返る。
「全然……活躍してないじゃん……」
沈黙。
フジキちゃーんは、
しばらく動かなかった。
そして――
何も言わず、
五人まとめて持ち上げた。
「え?」
「ちょ」
「待」
ドン。
五人のおにぎりマン、
崖から投下。
「ぎゃあああああ!!」
白い点が、
どんどん小さくなっていく。
「……えーー!!?」
トッピングおじさんが騒ぎ出す。
「主人公死亡!?
まさかの打ち切り!!?」
フジキちゃーんは、
崖の先を見つめたまま、静かに言った。
「来週からは――」
一拍。
「私が主人公」
振り返る。
「『SM嬢王(クイーン)かわ』
始まるわよ」
「うおおおおお!!」
トッピングおじさん、
拳を突き上げる。
「そっちの方が見たいやーー!!」
空が、ザワついた。
神・エンジョウ・サクシャの声が、
遠くで聞こえる。
『ちょ……ちょっと待て……
タイトル変わってない……?』
崖の下。
落下しながら、
本物のおにぎりマンは思った。
(どうなるんだ……俺……)
これは――
主人公が主人公である事を失った回。
そして、
作品が最も危険な方向へ舵を切った回。
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