罪の重さ

星乃 秋

第1話 痛みの始まり

18歳の冬、私は夜の世界に入った。


初めて見るネオンの光はまるで宝石みたいで、


その中で笑う自分は、これまでのどの自分より“特別”に思えた。


最初の数ヶ月は、毎日が眩しかった。


ドレスを着て、名前を呼ばれ、褒められ、求められる。


同い年の友達がコンビニで時給を数えている時間、私は数万円を手にしていた。


「私、こうやって生きていくんだろうな」

そんなふうに思った時期もあった。


でも——。


一年が過ぎる頃、


光はだんだん痛いものに変わっていった。


媚びた笑顔はタダじゃなくて、


座った瞬間から“いくらになるか”を考えるようになった。


会話も、甘え声も、触れられる身体も、

全部が“お金”に換算される。


どれだけ頑張っても何も残らない。

財布は膨らんで、心は削れていった。


そんな私には、3年付き合っている彼氏がいた。

家に帰れば彼がいて、


仕事の話を聞いてくれるし、


一緒にいる時間はあったかかった。


うまくいっていた——


あの夜までは。

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