第2話

綺麗な白色のボブカットに幼さが残るようなあどけない表情でこちらに向かってきた。

「楓?珍しいないつももっと早いだろ?」

「うん、でも今日は寝坊しちゃったんだ。なのでとーまは私と学校にいくべき」

「なんでやねん」

彼女が寝坊したことと僕が一緒に学校にいくことは果たして関係があるのだろうか?でも嫌な訳ではない。もし地球上全員「彼女のことを表すなら?」と聞いたら、全員が美少女と答えるくらいには可愛い。付け加えて僕が劣等感を覚えてしまいくらいだ。


「いーじゃん!とーまも久しぶりに私と登校したいでしょ?」

僕はあえて無言でいる。

「とーま?」

さきほど言った通り彼女は紛れもない美少女だ。くっきりとした二重にアイドル顔負けの美肌、プルっとした唇は思わず変な気分になってしまう。さらに性格も少し幼いところはあるが、人の気持ちに親身になれるいいこだ。

しかしそんな彼女にも大きな欠点がある。

「なんでなにも言わないの?もしかして本当に私と登校したくないの?私とーまの幼馴染みなのに?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?」

そう、このようにとてつもなく愛が重いのだ!

僕自身彼女に好意を向けられるのはとても嬉しい。幼稚園から一緒に過ごしてきたし、昔は結婚を誓い合った仲だ。

「ごめんごめん、ちょっとぼーっとしてた。僕も楓と登校できて嬉しいよ」

「!!ならいいんだよとーま♡」 

でもこれは少し行き過ぎな気がする。結婚を誓い合ったといっても4.5歳くらいの時のことだ。彼女なら僕なんかよりももっとかっこいい男の人と結婚するべきだ。でももしその時がきたら連れてきた男の人を審査させてもらうけどね!!


そのまま二人で雑談しながら学校へ向かってる間僕の頭の中は能力のことでいっぱいだった。

(もし変な能力だったらどうしよう‥隣の二組に【成長】ってかっこいい名前のくせに爪が早く伸びるだけの能力のやつとかいたしなぁ)

たしかに能力は遺伝が関係しやすい。だが100%受け継ぐわけでもないので、もしものことを考えてしまう。

そんな不安がってる僕に気付いたのか楓が手を握って言葉をかけてくれた。

「大丈夫だよとーま、もしとーまの能力が駄目でも私がいるからね」

彼女のこいうところが本当に助かっている。

「ありがとう楓、楓のこういうところ僕大好きだよ」

彼女は顔を真っ赤にしていった。

「言いすぎだよ!」

こうやって見るとただの美少女高校生にしか見えない。

「能力といえば楓はすごいよなあ、だって【剣聖】だろ?」

能力といってもある程度のカテゴリーがある。全てが戦い向きではなく、衣服など縫い物を作り出せる【裁縫】や、医者や聖女などが持ってる名前の通り人の怪我や病気を治す【回復】など様々なカテゴリーがある。中でも楓のは【剣術】のカテゴリーにあるなかでも最高と呼ばれている【剣聖】だ。

「それに関しては両親と神様に感謝だよね。私がなんかしたわけじゃないしさー」

「それでも十分凄いよ」

そんな会話をしているうちに学校に着いたようだ。正門を潜り、靴を履きかえて楓と教室に向かう。そのまま教室に入るとみんながこちらを見てきた。

「うわ、やっぱいつ見ても美人だな」「それな」

「目大きすぎでしょ‥」「なんであんな肌綺麗なのよ」

と楓に注目が集まり始めた。

(やっぱり楓といるとこうなるよな)

誰も隣の僕には目もくれず、みんな彼女に釘付けだった。


僕はまた彼女にたいして劣等感を抱いてしまった。




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血刃の略奪者 ぴゃあ @tetoi

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