勇者の右腕に転生したけど胸糞エンドを知っているので世界の半分を取りに行く
位置
第1話 勇者じゃないのかよ
頭が痛い。ここ数日ずっとだ。
数日といってもこの前寝たのはずっと昔だから自分でも何日かはよくわからない。
ただその甲斐あってとうとうクリアした。
そう、今ゲーマーの間で話題になっている王道RPG『アストレイナ・クロニクル』。
その裏モードといわれているプロフェッショナルモードをとうとうクリアした。
どの攻略記事やネットの投稿を見てもクリアしたという情報がないことからおそらく俺が初めてのクリア者だろう。
とても疲れた。
何日も寝てないせいでクラクラする。
少し横になろう。
——————
「ねえ!ユリス!さっきから何サボってんの!?」
、、、?聞き覚えのない声がする。
女の子の声だ。
そんな子と親しくなった覚えはないのだがな。
「うるさいな、ちょっとは休ませてよ」
あれ、どうしてか自分の口から発してるような感覚がする。
小さな男の子の声だ。
周りを見渡すと見覚えのない景色が広がっている。
あたり一面畑が広がっていて、俺はそこから少し小高い丘の木の下にもたれかかっている。
思い出してみよう。
俺はさっきゲームをクリアして眠りについたはずだ。
しかしなぜか思い出そうとすればするほど矛盾する記憶が生まれてくる。
「ユリスはいっつもそうやってさぼってる!ちょっとはまじめにやったらどうなの?」
そうだ。俺はユリスというのだ。
俺の中に、ユリスとして生きてきた記憶が流れ込んでくる。
「わかったよ。でもどうせ僕とやってもルミナじゃ勝てないよ」
—————
ふぅ、やっと稽古を終えて家に帰って来れた。
この家も長年住んでいる感覚がする。
というより実際に長年すんでいたんだ。
生まれてからということはここには12年住んでいることになる。
感覚的には異世界での生活を思い出したというより、元いた世界での生活を思い出したというのが正しいだろう。
ただそれを思い出したことでわかった。
ここは『アストレイナ・クロニクル』の世界だ。
そして私の名前はユリス・クロノディア。
そう、あのゲームの勇者。の右腕的存在であったユリスだ。
右腕かよ!!
だが正直、ユリスは圧倒的ビジュアルと、勇者を支える強力な力と知恵を誇る作中屈指の人気キャラであるためおいしいかもしれない。
しかし!!しかしだ、この作品のクリア後の裏設定が実に胸糞なのである。
主人公である勇者はラスボスである魔王を倒した後、勇者の権力増強を恐れた王により、魔王との裏取引を行い手を組んだと疑われ、勇者は死刑に処されるのである。
そして勇者パーティである私も同様に殺される。
なんとも胸糞悪い。
国民達も国を守った英雄にも関わらず、私たちに石を投げた。
実際に魔王に世界の半分をくれてやるとは言われたが勇者はきっぱりと断り人間を守るために戦った。
それなのにあの仕打ちだ。
決めた。
私は世界の半分を貰う。
私達は私達のために戦うのだ。
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