異教徒

時刻:日曜日の正午

場所:広場(死刑囚たちが次々とギロチンにかけられている)

人物:異教を流布したとがで死刑を宣告された学者とその弟子


 静寂。ギロチンの音。市民の歓声。

弟子「先生、我々に残された時間はあとわずかです。この時間で我々はなにをすればよいのでしょうか」

学者「そうだね。死をまじかにしつつも、日ごろの学びのおかげで、我々は理性を失っていない。この時にしか学べないことがある。五感をよく働かせて、それを得よう」

弟子「死にゆくのにですか」

学者「そうだよ。よく生きる、生き抜くとは、学び続けることなんだよ。死にゆくその時まで」

弟子「死んだら、我々はどこに行くのでしょうか」

学者「さあね。本にはいろいろ書いてあるが、行って戻ってきた者はひとりもいない。そんなことを、いま、考えても仕方がないかもしれない。生きているときは、生きることに集中しよう……。きみとの会話も楽しいが、私はすこし考えたいことがあるので、おしゃべりはここまでにしよう」

 静寂。ギロチンの音。市民の歓声。

 時は近い……。

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