第2話 男は、50代で、もう一度やり直してみたいもの。
男なら、独身者でも、旦那さんでも、部長でも、支店長でも、理事長でも、社長でも、精神疾患者でも、みんな、50代で、人生をもう一度やり直してみたいらしい。
精神疾患者の俺も、その一人だ。俺も、お父さんになりたい。地獄から、ずっと這い上がってきて、現在地点が、この気持ちだ。
友達の男たちは、みんなパパに成り、子供たちは、みんな成人して、中には、結婚して、東京に住んでいるという。あるいは、子供が、東京大学を卒業して、今年、就職するという。みんなすごい男たちだけど、みんな、50代である。何を考えているのだろう。中には、長年やりたかった、オヤジバンドをやっている理事長もいる。後は、海外派遣で、中国の広州に行ったパパもいる。中には、アイルランドから帰国して、大学で、教室を開いているパパもいる。
俺は、長年やりたかった、小説を書くことができている。俺は、精神病院を出て、30年間ずっと肉体労働をしてきたんだ。体を使ってお金を稼いできたんだ。今、頭を使う仕事に切り替えた。僕も、小説を書いている。しかしながら、恋人はいない。世話人さんが、俺のビックママになってくれている。俺は、ビッグママの下で、迷わず、世の中から、たった一人の、俺に似合う女性を選べばいい。一体、どんな女性だろうか?今、気になる女性が、現実に、2人いる。一人は、同じ施設の女性である。もう一人も、同じ施設の女性だが、女性スタッフである。ちなみに、去年、俺は、5年間、毎日メールのやり取りをして、街で、男たちと遊び歩いた女友達と別れた。
今は、俺は、孤独者である。深夜まで、ひとり、パソコンに向かう毎日。いつの間にか眠りに落ちていることもある。気づいたら、カーテンの向こうが明るくなっていたりする。いつの間にか徹夜をしてしまい、朝になっていることも。グループホームの表に出てみて、朝日を浴びるのも悪くない。そのまま、施設の喫煙所に行って、煙草を吹かす。これから、世話人さんがやって来る。
グループホームに世話人さんがやって来る。世話人さんが、キッチンで、温かいスープを作ってくれる。ご飯と納豆と漬け物が出る。精神疾患者の俺たちは、こぞって、朝食にありついて、食べ終わったら、食器を洗い、かたずけて、そして、それぞれ、作業所へ出ていく。繰り返される、同じ毎日である。
ここで、俺は、思い切って、旅に出ることを計画した。12年間も、グループホームで、生活してきたのである。息抜きが必要である。俺は、理事長さんや、世話人さんや、スタッフさんや、精神科医らのの許可を取り、海外旅行に一人で行くことにする。俺も、50代、もう一度、人生を、やり直してみたいのである。
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