第5話

 レギンの相手を智也と狼にまかせ、慧士と真澄は繭の中に突入していた。


「ソレ、いつまで被ってるの?」


 ソレとは慧士が被っているフルフェイスの事。


「ああ?! お前らこそ正体バレとか考えなくていいのかよ?」


「回りにカメラもないし、聞かれたら人違いです、で通せばいいじゃん」


「俺は絶対に嫌だぞ」


 途中、上級以下のゲヘナの襲撃があったが、難なく撃退し、大広間に到着する。


「壁とか柱とかぶち抜いて、無理やり大広間を作ったんだね」


「んで、アレがこの世界と外をつなぐゲートってわけか。ん?!」


「くる! ほら迎撃の準備!」


「いちいちうるさい!」


 2人は自分の武器にオーラを込めると、バーストを発動させる。


「やったか?!」


「倒せなくてもゲートをはかいできれば……?!」


 ゲートから閃光が発される。


「これが、神級……」




 繭の外ではレギンとの戦いが続いていた。


「なるほどな、植物のゲヘナってわけか」


 地中から伸びる無数の根の攻撃をかわしながら。狼が楽しそうに言う。


「姉さんもこれに殺られた……」


 迫る根の群れを切り捨てながら、本体に向かっていく智也。


「頑張っているけど、所詮は多勢に無勢だよ」


 レギンの言葉どうり、根の数に押され、智也の足が止まる。


「多勢に無勢か、言い言葉だな」


 狼はそう言うと、ゲヘナの書を開き、大量のファルシオンを出現させる。


「食らえ」


 全てのファルシオンにオーラを注ぎ込みバーストさせると、次々と根を破壊していく。


「今だ!」


 智也はサーベルに限界までオーラを注ぎ込むが、バーストさせずに武器と融合させる。


「な?!」


 サーベルの刃が伸び、レギンの首を落とす。




「これ以上、好きにはさせない」


 慧士達を襲った閃光の前に、アマテラスと名乗った少女が立ちはだかる。


「あう?!」


 小さな悲鳴をあげて、ぶっ飛ぶアマテラス。


「大丈夫か!」


「なに動揺してんの。このチャンスに押し返さなきゃ!」


 この状況でも冷静な真澄はロングソード二刀流でバーストを発動させる。


「くっ」


 言い返せない慧士は、刀を一旦鞘に収め、鞘と一体化した刀にオーラをそそぐ。


 鞘に収められた刀のオーラの許容量は倍になり、バースト時の威力も上がる。


「必殺、居合砲!」


 大砲の様な斬撃が飛び、ゲートから現れようとするモノに直撃して押し返す。


「やるじゃん。名前ダサいけど」


 真澄が追撃の双剣のバーストを決め、完全に撤退させる。




「アレがゲヘナ使いですか」


 司令官風の男がスサノオに尋ねる。


「姉さんの悪あがきです」


 そう言い残して部屋を出るスサノオ。


「そうは思えませんが……。ゲヘナの書、こちらが切り札になる可能性も……」


 司令官風の男はポツリと呟く。




「ただいま~」


 深夜遅く、帰宅するリリカと母、流美。


「あ~、お兄爆睡してる。こっちの気も知らないで」


「いいじゃない。おこさないようにしましょ」


(良かった、2人とも無事で)


 あわてて先に帰宅した慧士!その横では力尽きたアマテラスが爆睡していた。


「連れてきちまったけど、明日どう言い訳するか……」


 そのまま深い眠りにつく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

祝れなき者 @suzukichi444

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画