浪人生

久遠 燦

第1話

私は浪人によって、"中に何があるのか分からない嵐の中に飛び込むこと"それ自体に価値を見いだした。

浪人を選ぶまでその発想は無かった。

遥遠くまでハッキリと見通せる舗装された道だけ選び、嵐を通り抜けるやつを見つけた時は、観察して欠点を発見。

「あいつは〜だから凄くない」と言うことで自己を保つ。

小説や、詩や、絵と言った、先の見通せない小さな竜巻に飛び込むやつすら大嫌いで。

現実を直視する力がないから逃避する力が育った奴として、見下し、妬んだ。

でも現役、早稲田単願受験を決意した時私は変わった。逃げ場を手放し嵐に吸い込まれたら、意外と楽しかった。

模試の成績を、嵐の終わりまでを測るための大雑把な地図にして、進む。

段々、嵐が好きになり、小説や詩も書くようになった。私はやっぱり性格的に完全な曖昧は楽しめないから、コンテストや友達からの採点によって得た地図を片手に。

もしも、浪人の嵐に飛び込まなかったら、私は一生、嵐から逃げて、見通せる道路を歩いて生きていく人生だっただろうから、

浪人を選べて本当に良かったって思ってる。嵐は怖いけど楽しい。

時には小さな竜巻に逃げ込みながら、嵐を進む自分でいい。

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浪人生 久遠 燦 @Milai_777

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