第3話 イジメ同僚

「ごめんなさい」

「は?」


 同僚Bは、面倒臭がり屋でやる気がありませんでした。

 協調性きょうちょうせいがなく、俺をイジメてきました。

 別の部署の人がイジメに気付いて、人事部へ報告してくれました。

 Bは呼び出されて、厳重注意されました。


 あとから聞いた話によると、「橋元さんが送ってくれなくなったから」がイジメの理由だったそうです。


 入社初日、無能上司から「暗い夜道を若い女性のひとり歩きは危ないから、駅まで送ってあげて」と頼まれて、Bを毎日最寄り駅まで送り届けていました。

 数ヶ月後に新型コロナウイルス肺炎感染症が蔓延まんえんし始めて、「仕事以外の接触禁止令」が出ました。

 送れなくなった理由は、きちんと説明しましたよね?


 Bは小さな子どものように泣きじゃくりながら、「ごめんなさい」とひとことだけ謝ってきました。

「叱られたから謝りました」といった、形だけの謝罪でした。

 それで許されるとでも、思っているのですか?

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