第40話 美濃54万石の落日・竹中半兵衛確保


​1555年10月


美濃を揺るがした斎藤道三の死。信長は義父・道三の敵討ちを果たし稲葉山城を占拠。


城門に斎藤義龍と一族郎党の首を晒した…


獣のような笑みを浮かべる第六天魔王。


『義龍!良い時期に動いてくれたな(ニヤリ)。いくら俺でも理由もなく嫁の実家を滅ぼせぬ。

義父殿(道三)あっさり滅してくれて、54万石がすんなり手に入ったwwこの信長!感謝申し上げまする。』


『呆れるわね……この汚れたノイズ。勝家くん早くその子(竹中半兵衛)を隠しましょう。斎藤義龍の小姓を努めていたのよ。今の信長に見つかったら殺されるわ!』


『分かった!』

「皆の者!我ら1万はこの地に布陣する。義龍軍の残党が居るやも知れん。柴田軍直属兵士2千人は儂について参れ、長良川沿いを見回る!残り8千の尾張兵は野営の準備だ。夜は冷え込む故に火を絶やすな!」


勝家は城下町から4キロほど離れた川沿いの、材木問屋街を訪れた。


固く店を閉ざしている大規模な材木商人の家に、軍勢を率い押し入った勝家。


震えながら金を差し出そうとする店主に


「安心しろ何もしない。織田の軍規は知っているだろ?この子は道三殿の親族だ。まだ子供ゆえ悲惨な光景を見せたくない。明朝迎えに来る、一晩預かってくれ。」


柴田家直属の兵士達が、勝家の名札を各問屋の店先に貼っていく。


*****

乱暴狼藉らんぼうろうぜきを厳しく禁じる。破った物は例え重臣であろうと、一族郎党・連座としてはりつけとし城下にさらし首とする。


織田家筆頭家老・織田軍元帥

柴田権六勝家

*****


「これを見て押し入る馬鹿はいない。日ノ本一厳しい軍規だ。済まぬが飯を食わせ早めに寝かせてくれ。」


「はっ!ははーーー(大汗)」

『乱取りは免れそうだ(ホッ)』


美濃の住人で織田の元帥・柴田勝家を知らぬ者はいない。

あまりの大物の出現に、固まって動けない店主や住み込みの者達。

だが勝家の対応を見てホッとしている。


『良し、思考を遊動するか』

「お礼代わりに一晩中交代で、我が直属の兵士達を問屋街の通りに配置しよう。100人1組で5組、500人置いてゆく。中に入れる必要はないぞ、戸締りは厳重にな。頼んだ(ギロリ)」


『おお!子供一人預かるだけで一晩中の護衛付き、しかも500人とは!願ってもない事だ!』

「はい!お任せ下さい!」


『これで良しと』

「名は半。。。半太郎と申す。半太郎、明朝まで大人しくしておくのだぞ。」


竹中半兵衛は道三の親族と嘘までついて、自分を信長からかくまおうとしている勝家の意図をすぐさま理解、小さく頷いた。



勝家は2千の軍勢と共に野営陣地の稲葉山城麓へと向かうと、激しい炎と煙が舞っている。


『勝家くん、第六天魔王様は徹底してるわよ……全部焼いて更地にした跡地に新しい町を作るつもりね。』


『その資金は稲葉山城の金と兵糧だな……織田信長を敵にまわすとは、斎藤義龍も馬鹿な男だ。』


紅蓮の炎に焼け落ちる稲葉山城の城下町……その時、血の匂いに狂った信長から過去最高出力でノイズが出た!


『焼け!焼くのだ!古い城下町など不要だ!俺様が新しき町を作ってやる!美濃の住民が神として俺様を奉る気持ちになる、素晴らしき町をな!カカカカカwww!!!』


勝家「……殿。只今戻りました!斎藤義龍の残党は一掃された様子にて。この近辺10キロ以内には見当たりません!我が軍勢は山の麓へ布陣。城への出入りを監視させまする!」


「そうか勝家!大義であった!相変わらず柴田銃の威力は凄まじい。それと馬なしで動く軍用トラック、あれは良いぞ大量に作れ。迅速な移動こそ兵法の要じゃ!資金は美濃の税収全てを使って良い!」


『……全額軍費に回すのか?復興は二の次だと』

「殿、いや義兄殿。義弟として申し上げます。ここ美濃は濃姫様の故郷です。」


「ん?分かっておる、それがどうかしたか?」


「せめて税収の半分、いや3割で結構!復興にも回して下さい。さすれば田畑や商いも復活、収入が戻り税収も上向きます。」


「カカカw何を言う。復興資金なら義父殿が、この稲葉山城に金をたんまり溜め込んでおったぞ。兵糧もたっぷりある、それを米商人に売れば資金となろう。」


「はい城下町はそれで良いでしょう。ですが美濃全体の復興には足りません。内戦により家臣団が分裂、美濃全土の内政が不安定となり収入は激減します。ここは先ず民の生活を安定させる事が先決か。。。。。」


『一々うるさい奴め!』

「明朝!直属の2千を連れて遠江・駿河へ戻るが良い……美濃の治安維持は儂の尾張軍で十分だ。清洲城への柴田銃の弾薬補給、その段取りは頼んだそ。」


『煙たがられたみたいね…』


『だが言うことは言う』

「義兄殿!諫言かんげんにも耳を傾けるのが、大大名の器量ですぞ!」


『うるせえなあ!とっとと帰れ!話をすり替えるか。』

「佐久間!森!佐々成政!行方不明の重臣達は見つかったか!」


森「はっ!西美濃三人衆は明朝登城致します!残りは道三殿の重臣を5人おります!」


勝家「待たぬか三左(森可成)!捕らえておる?とは?義龍では無く道三殿の重臣だぞ!言葉が違うであろう!」


『黙れ権六!』

「もう良い!駿河(勝家)下がれ!美濃の事は儂で全てやる!」


「もしや義兄上あにうえ!舅殿(道三)家臣団の生き残りまで粛清する腹積もりか!?」


「それは違うぞ駿河。家臣団は儂の直属軍としてこき使うw粛清するのは美濃の古い思考をもった、重臣達だけだ。そいつらを根絶やしにすれば、斎藤家復興とか馬鹿な夢を見る奴が居なくなる。」


「それは粛清などせずとも、重臣達の嫡男を人質に取り、徐々に軍事力を削げば済むこと。三河や信濃でやって来て承知のはず!」


「……ハッキリ言う、そのやり方だと遅いんだよ。粛清して軍勢だけを手に入れる!そいつらを北近江の浅井攻めに先鋒として使い磨り潰す。尾張の織田軍は無傷だ、一石二鳥だろ!」


『こいつ!美濃の復興どころか浅井攻めだと!』

「……織田家軍事の事は儂が責任を持っている!浅井攻めだと?初耳だぞ吉法師(信長)!!」


佐々成政

「なっ!!柴田様!元帥とは言え、殿を幼名の吉法師呼びするとは不敬ですぞ!」


勝家「黙れ小童こわっぱ!義兄弟の話に口を挟むな!」


「うっ……」


信長「ふん!これから話そうと思っていたが興醒めだ!もう良い権六、下がれ……美濃が落ち着いたら浅井攻めの相談はする……」


『勝家くん潮時よ、ここは退いて!竹中半兵衛くんを、遠江へ無事に連れ帰るのが重要。ねっ、退くのよ!』


『うぬぅぅぅ…ラジャーだ…』

「左様ですか……では命令に従い明朝2千を率い戻ります。弾薬補充は2日以内に清洲城へ届くよう段取りしますので……では御免!」


城を後にした勝家に聴こえる信長のノイズ


『斎藤家の小姓に、竹中家の嫡男がいた。知恵の回る小賢しい餓鬼だ。あれは将来、俺の邪魔になる……佐久間!その11歳の首を持ってこい。』


─────


狂える魔王の炎から天才の芽を救った勝家。美濃の落日は、地底の覇王が歩むへの序章となる。


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