第15話 轟音の尾張統一戦と傀儡守護・斯波義銀


​1546年(天文15年)8月


尾張平野


​真夏の熱気が立ち込める中、尾張を二分する街道を、これまでの歴史には存在しない【鉄の軍勢】が進軍していた。


アイリス

​『勝家くん、信長軍と信秀軍、共に配置完了よ。岩倉側、清洲側、どちらの守備兵も思考レベルは「レベルD:困惑と虚勢」

まさか自分たちの城が、数分で瓦礫の山になるとは夢にも思ってないわね。』


​信長の軍師であり、織田家・大筒銃器・総奉行に任命された柴田勝家。


黒光りする榴弾キャノン砲(大筒)の列を見据え、静かに頷いた。



​①岩倉攻め・魔王の進撃

(信長軍:2,000人)


​岩倉城を包囲したのは、若き第六天魔王・織田信長率いる本隊。


副将には勝家、さらに叔父の織田信光、そして若手有望株の佐久間信盛(18歳)、信長と同じく初陣を飾る小姓の丹羽長秀(11歳)が名を連ねる。


​「カカカww! 権六。岩倉の連中が城壁にへばりついて、こっちを指差し笑っておるぞ。大方この太い筒で何をする気だ?ってとこだな。」


​信長が不敵に笑う。その背後には、1,500挺の柴田銃を抱えた狙撃兵と、150門の大筒が牙を剥いていた。


​「……若殿様、尾張上四郡守護代・織田信安。笑っていられるのも、今のうちでございます。」


​勝家が右手を振り下ろすと同時に、150門の大筒が一斉に火を吹いた。

​!!!ズドドドドォォォォォン!!!ーー


​有効射程2里(8km)を誇る榴弾が、15秒に1発の間隔で正確に城門と土塀を粉砕していく。


鉄骨鉄筋コンクリートなどの概念が無い戦国時代。本体の岩倉城は当然木造建築である。


キャノン砲の榴弾が着弾と同時に爆発・炎上!城壁は紙細工のように弾け飛んだ。


「ギャーーー!!」


​「ひっ、ひいぃーーーな、何だこれは!? 」


「雷か? 地獄の業火かーー!」


​城兵たちがパニックに陥る中、勝家が命じる。


「柴田銃、前へ出ろ!……逃げ惑うネズミを1匹も逃がすでないぞ!」


​我先にと逃亡を図る守備兵たちは、400m先から放たれる(1分間10連射)の弾丸に、成すすべなくほふられていった。


城主の織田信安・織田信賢親子と思われる遺体は、性別判断がつかないほど損傷が酷かった……



​②清洲攻め・古き織田の終焉

(信秀軍:1,500人)


​一方、清洲城を包囲した信秀軍。


こちらは長男・織田信広、筆頭家老・平手政秀に加え、猛将として知られる内藤勝介や、まだ若い河尻秀隆(19歳)が脇を固めた。


​50門のキャノン砲による砲撃は、瞬く間に清洲城を壊滅させた。


守護代・織田信友や清洲織田家首脳陣の身体はバラバラの肉片となり、焼けただれ原型を留めていない…


清洲兵士たちは一瞬で戦意を喪失、全面降伏した。


​「……これが権六の言っていた『火力』か……政秀、もはや槍を合わせる時代は終わったのだな……籠城すら何の意味も持たぬ(汗)」

信秀が呆然と呟く。


「左様にございますな……(汗)これは戦ではなく、ただの『大掃除』にございます。」


「三郎も言うておったが、民や武将の家族達への乱暴狼藉の絶体禁止!再度兵士等に徹底せい!」


「はっ!お任せ下さいませ!」


平手政秀の後ろ姿を見つめながら、織田信秀は感慨深げに振り返る…


『この7年間の内政の手際の良さ、未知の技術等々…権六は本当に、この時代の人間なのか?

何れにせよ、三郎の軍師兼筆頭家老に任命しておいて良かった……』


③尾張守護・斯波家の落日

(勝家忍び衆/影の暗躍)


​轟音と悲鳴が響き渡る清洲城のどさくさに紛れ、勝家傘下の忍び衆が動いていた。


​彼らはあらかじめ潜伏していた清洲城周辺から、砲撃後に守護・斯波義統の居室へと侵入。


混乱の中、勝家の【裏の指令】が遂行される。


​「……守護様、お迎えに上がりました。」


​「おお! 救いか!」と手を伸ばした義統。


だが忍びの手には、救いの手ではなく(無臭の毒液)を染み込ませた針があった。


​「……がっ……あ、あ……」

​喉を掻きむしり、斯波義統は絶命。


清洲織田家の傀儡かいらいとは言え、自意識を持つ尾張守護・義統の存在は、将来的に織田信長の権威には邪魔な存在でしかなかった。


勝家『必ず仕留めるのだ!6歳の子供(義銀よしかね)が残っておれば十分だ(ニヤリ)』


​「若君、義銀様。さあ、こちらへ。新しい父上…いえ、織田信長様がお待ちですよ。」


​忍びは、まだ何もわからず泣きじゃくる6歳の義銀だけを抱きかかえ、燃え盛る城から脱出した。



​④美濃への威圧

夕暮れ時。

岩倉城を制圧した信長と勝家は、その足で美濃との国境・木曽川沿いへと向かった。


そこには、今しがた城を粉砕したばかりのキャノン砲が100門、稲葉山城を睨むように並べられる。


​『勝家くん。木曽川(国境)の向こう側、斎藤道三の物見たちが、顔面蒼白で逃げ帰っていったわよ。思考レベル、全員一律で「レベル消滅……絶望」ね!』


​『……これでいい。』

勝家は、燃える岩倉城を背に、信長を見た。


「これで尾張一国、織田弾正忠家のものです。そして斎藤道三は平伏して、娘を差し出す他に道はありませぬ。」

「カカカカカw! 権六、お主の毒は城ごと飲み込むほど、甘美で残酷だな!」


​わずか数時間。

史実では1559年まで時を要したはずの尾張統一は、勝家が持ち込んだ(未知の破壊兵器)によって13年も早く完遂された。


父・義統を毒殺され、傀儡として拾われた幼き守護・義銀。


そして、圧倒的な火力を前に沈黙する美濃の蝮。


尾張統一の一報は周辺諸国に瞬く間に広がり、織田家の火力は他国大名達へ恐怖を植え付けたのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る