第2話
翌日、長女と長男をそれぞれ保育園へと送迎した後、そのまま私は実家へと向かった。
私たち家族の住む家と私の実家は自動車でだいたい10分ほどの距離だ。子供たちが産まれてから両親に大変世話になったというのもあるし、何より私自身両親と遠く離れたくなかったというのがこの立地に住居を構えた理由だ。
全てを捨てて上京したお姉ちゃんを少し羨んだこともあるけれど、やっぱり私はこの場所が、私を育ててくれたこの場所が好きだ。地元を捨てれば良かった、と思ったことは一度もない。
久しぶりにお姉ちゃんに会える。
昨日、お母さんから連絡があってからずっとそわそわしっぱなしだ。
心なしか、アクセルを踏む足に普段より力がこもる。
実家に到着したのは9時前だった。
お父さんもお母さんも仕事に出ていて、家にいたのはお姉ちゃんだけだった。
「おかえり、お姉ちゃん」
久しぶりに会うお姉ちゃんの姿は、以前会った時とほとんど変わらなかった。背が高くてすらっとしていて、物語に出てくるザ・キャリアウーマンって感じで、高校に入学した頃からほとんど成長してないちんちくりんの私とは似ても似つかない。
「ん……ただいま」
「ほんと久しぶりだよね。いつぶり?10年くらい帰ってなかったんじゃない?」
私は勝手に台所に入り、自分とお姉ちゃんの分のコーヒーを準備する。
「そうかな……うん、そうかも」
「ずっと忙しかったの?全然連絡くれないから、私たちのことなんて忘れちゃったのかと思ってたよ。コーヒー、無糖で良かったよね?」
「やっぱり仕事が大変でね……うん、無糖で大丈夫」
その後は他愛も無い話を続けた。
お姉ちゃん、あるいはお姉ちゃんだった物 @kawaxy
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