第3話 同僚の証言
加藤さんは事件担当の記者でした。██県内の刑事事件、事故、自殺とか、警察沙汰になるような事件を追って記事にするような部署の人です。
凄惨な現場に足を運んで、現場の撮影や遺族ヘの取材をしなきゃいけないんで結構病む人がいるんですよ、精神的に。加藤さんも最近は大分まいってました。
彼が言うには、事件は事件でも自殺関連の取材が一番キツいらしくて。特に遺族への取材がキツいそうなんです。そりゃ見ず知らずの他人に「〇〇さんは何故死んだんですか?」なんていきなり聞かれるんですから、遺族が怒るのも当然なんですけどね。殴られたり罵声を浴びせられたりするのは当たり前でそれにはある程度加藤さんも慣れていたらしいんですけど。
『精神的におかしくなってしまった人』に取材するのが辛かったらしいんです。大切な人が自ら命を絶ってしまって、その悲しみをぶつける相手も居ない。そうなると人間、精神的におかしくなってしまって。何を聞いても故人の名前を連呼するだけだったり、話しかけた加藤さんを亡くなった息子だと思って抱きついて来る人がいたり。中には「自殺は悪いことじゃない。頑張って死んだんだから褒めてあげないと」なんて、おかしな持論を展開する人もいたそうです。
そんな連中を相手にしてたら病んでも仕方ない、とは思うんですけどね。
なにも家族巻き込んで死ななくてもねぇ。そんなに病んでいたようには見えなかったけどな~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます