第40話 必殺技
巨大ゴーレムが一歩踏み出しただけで、地面が揺れた
衝撃波が空気を押し潰し、装甲車がわずかに浮き、隊員たちが体勢を崩すのが視界の端に映った
まずい
あれが自由に暴れ始めたら、防衛線がもたない
「下がって!」
叫びながら前に出る
自衛隊の指揮官が一瞬こちらを見て、すぐに撤退命令を出した
ゴーレムの視線が、完全に俺に向く
赤く光る眼孔が、獲物を測るように動いた
次の瞬間、巨体からは想像できない速度で距離を詰めてくる
速い
反射的に横へ跳ぶ
さっきまで立っていた場所に、ゴーレムの拳が叩きつけられた。地面が抉れ、土砂が噴き上がる。
拳の余波だけで、魔力鎧が軋んだ
防御を最大まで引き上げる
魔力鎧
身体強化
衝撃緩和
ゴーレムの背中が開いた
嫌な予感がする
無数の何かが飛ぶ
ミサイル
「くっ……!」
即座に魔力糸を展開する
空中に張り巡らせた糸に、飛来するミサイルを絡め取り
引っ張り、軌道を変え、人のいない方向に逸らす
爆発音が連続して響く
背後で何かが崩れる音がしたが、街側には飛ばしていない
その隙を突いて、ゴーレムが胸部をこちらに向ける
嫌な輝き
瞬間、眩い光が放たれた
「ビームか……!?」
魔力障壁を即座に展開
多層に重ね、全出力で受け止める
衝撃が全身を貫いた
視界が白く染まり
耳鳴りがする
足元の地面が焼け、溶ける匂いが鼻を突く
魔力障壁にさらに魔力を流し込む
ビームが逸れ、斜め上へと流れていった
直撃していたら、後ろの防衛線が吹き飛んでいた
ビームが止んだ瞬間、地面を蹴って前に出る
狙いは、膝
魔力刃を最大出力で生成し振り抜く
だが、硬い、装甲が厚すぎる
火花が散るだけで、決定打にならない
ゴーレムの脚が振り上げられる
咄嗟に両腕で受け止めた
衝撃が骨まで伝わり、地面に叩きつけられる
痛い
隙を相手は見逃してくれない
ゴーレムは容赦なく追撃してくる
連続で振るわれる
拳
蹴り
魔力鎧が削られる
呼吸が乱れる
それでも、下がれない
突破されれば、被害は一気に拡大する
ゴーレムが距離を取る
またミサイルだ
全身の装甲が開き、無数の発射口が露出する
「させるか」
魔力糸を高速展開
空間を縫うように糸を走らせ、発射と同時に絡め取る
だが、全ては逸らさない
爆発に巻き込まれ、視界が煙に覆われた
その煙を突き破って、ゴーレムが突進してくる
真正面から受け止めるしかない
魔力を一点に集中し、肩でぶつかる
衝撃で後退するが、ゴーレムの動きがわずかに鈍った
今だ
膝へ、連続で魔力刃を叩き込む
同じ箇所を、何度も、何度も
装甲にひびが入る
それでも、まだ倒れない
胸部が再び輝き始める
さっきより明らかに出力が高い
魔力障壁を展開しながら、後退する
決めるしかない
地面に足を踏みしめ、魔力を溜め始める
周囲の空気が震え、視界が歪む
これは、あまり使いたくなかった
制御が難しく、消耗が激しい
だが、これ以上の撃ち合いは不利だ
魔法を構築する
静かに、しかし圧倒的な魔力量を注ぎ込む
「荒天」
瞬間、
空が、暗くなる
空一面に、無数の魔力弾が浮かんでいる
数十万発の魔力弾がゴーレムへ
落ちる
無数の魔力弾が、周囲もろともゴーレムの全身に叩き込まれる
装甲が砕け
ひび割れ
剥がれ落ちる
衝撃が連続し、巨体が耐えきれずに沈み込む
それでも雨は止まらない
そして、胸部の奥
コアらしきものに到達する
爆発
煙が晴れるのを待つ
警戒は解かない
反応はなし
全身が重い
魔力はまだ余裕があるが集中力が限界に近い
周囲を見ると、自衛隊の防衛線は無事だった
誰も、巻き込まれていない
空を見上げる
巨大な魔法陣は、すでに消えていた
だが、まだ終わりじゃない
俺は息を整えながら、
ダンジョンから溢れてくるモンスターに殴りかかる
本作を読んでいただきありがとうございます!
勢いで描き始めた作品なので話の矛盾点や誤字脱字などがあったら教えていただけると嬉しいです。
そして少しでも面白いと思って頂けたら、作者の励みになりますので♡や⭐︎、感想などよろしくお願いいたします!!
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