ハーベスト家の人々
みゅうた
レヴロス編
第1話 レヴロスの苦悩
「やぁ!とお!」
「おはよう!今朝も精が出るなレヴロス!」
「おはようバルト!自主練しないと仲間達に合わせる顔が無いからな」
レヴロス・ハーベストは代々騎士の家系であるハーベスト家に産まれた
英才教育を受けて王宮騎士団の副団長に上り詰めていた
そんな彼に声をかけてきたのは親友でライバルでもある騎士団長のバルトだった
「お前は実力があるのに副団長止まりなのはその優し過ぎる性格だからだよな…」
レヴロスは強いのだが優し過ぎる性格故に敵であっても情けをかけてしまうのが災いしていた
「トドメを刺すのはいつも俺になってるよな…他の騎士達にも回る時も多いから二度手間になってしまってる」
「だからこうして攻撃力を上げて一度で倒せるように日々訓練してるんじゃ無いか…」
「いや…お前はそれが出来るはずなのに直前で力を緩めてしまう癖があるんだ…それが問題なんだよ…」
レヴロスはバルトに自分の問題点を指摘されて思い悩んでいた
「みんなが来る前に手合わせしようぜ!」
「ああ…頼むよ」
レヴロスは毎日のようにバルトと共に早朝から訓練するのが日課になっていた
そして夕飯を共にする事も多かった
「お邪魔します!おおエルドラン大きくなったなぁ!」
「バルトさんこんばんわ〜今日も夕飯の後で訓練手伝ってくれるんだよね?」
レヴロスはこの頃にはすでに息子のエルドランを受けておりバルトも我が子のようにエルドランを可愛がっていた
「バルトもそろそろ嫁さん探さないとな〜いつまでも独り身だとなぁ…」
「うるせぇ…俺のお眼鏡に叶う女が居ないだけだよ」
「貴方…それくらいになさってそろそろ訓練を始めないとエルドランが寝る時間になってしまいますわ」
「おっと!そうだったな…エルドラン準備は良いか?」
「僕はとっくに準備は済んでいるよ…父上達を待っていたんじゃ無いか〜」
そして訓練を終えるとバルトとレヴロスは風呂に入りながら和気藹々と話したり酒を飲んだりするのだった
そんな日常を過ごしているとレヴロスの運命を変えることになる出来事が起こるのだった
「ヴァンパイアの討伐ですか?」
「西方の古城にヴァンパイアが棲みついていて困っていると依頼が入ってな…派遣する騎士を選ぶ事になったのだ」
「それなら俺が行きます…」
名乗りを上げたのはバルトだった
「いや…其方には騎士団長としての役目があるであろう…他に適任は…」
「…私の出番のようですね…その命令受けましょう!」
レヴロスが名乗りを上げるとバルトが止めた
「お前には奥さんと息子がいるじゃ無いか!二人を残して行くと言うのか?」
「…他に適任は居ないだろう?他の人員を割くわけにはいかないからな…」
その夜…
「まぁ…西方にヴァンパイア退治に?」
「ああ…いつ戻れるかもわからない…もしかしたら命を落とす事も覚悟しておいて欲しい」
「貴方が決めた事なら文句はありませんわ…エルドランの事は心配しないで…」
「済まない…頼むよ…君には苦労をかけてばかりで良い夫では無かったな…エルドランにとっても良い父親とは言えないだろうな」
「そんな…最後みたいな言い方しないで下さい!必ず戻ってくると信じていますから…」
それからレヴロスがこの家に戻るのが数十年後になるとは誰も予想していなかった…レヴロスさえも
色んな想いを抱えながらレヴロスは西方の古城に向けて出発するのだった
バルトは騎士団長の職務をこなしながら嫌な予感が拭えずにいた
「大丈夫だよな?アイツに限って死ぬ事は無いと思うが…」
その頃レヴロスは西方に進んで旅をしていた
町の酒場で情報を聞いていた
「ヴァンパイアだろ?最近現れて古城に棲みついたって言う…誰も恐れて近づく事さえしないよ」
「度胸試しに行った若者が帰って来ないんだよ…」
「なるほど…思いの外厄介なようだな…ただもう少し情報が欲しいがこれ以上は難しいかなぁ」
その日は町で泊まり翌日次の町の目指す事にした
魔物を倒しながら旅を続けるレヴロスは異変に気づいた
「魔物が何かに怯えているように思えるのだが…やはりヴァンパイアの生息区域に近づいて来たからなのか」
次の町に辿り着くと異様な雰囲気に包み込まれていた
人々はヴァンパイアの脅威に恐れているのか警戒されているのが分かった
戦いに備えて武器屋に行くと店主にこう言われた
「ヴァンパイアを倒しに行くつもりかい?止めときな…奴は手強いぜ…」
「その為にここまで来たんだ…何か知ってる事があれば教えて欲しいのだが」
レヴロスの真剣な眼差しに店主は観念したのか口を開いた
「奴の所に行って無事に帰って来れた奴が町外れに住んでるよ…そいつなら何か知ってると思う」
店主にお礼を言うと教えてもらった場所へ向かった
町外れに厳重に鍵をかけられた立派な家があった
レヴロスが訪ねて行くと最初こそ警戒されたがレヴロスの熱意に負けて話を聞いてくれる事になった
「ヴァンパイアを倒しに行くのか…奴は夜だけ行動してるみたいだ…俺が行った時はなかなか近寄ろうとしなくてな…どうやらこの十字架に込められた聖なる力を恐れていたみたいなんだ」
「なるほど…おそらく日光にも弱いらしいな…夜しか出歩かないのはその為だろう…聖なる力も弱点なら倒せる可能性は高くなったな」
「本当にやる気か?奴は妖艶な美女だぜ…こちらを魅了してくるのが厄介なんだよ」
「は?ヴァンパイアって女なのか?」
それを聞いたレヴロスは困ってしまった
何故なら彼は女性を殺さないのが心情であったからだ
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