追放魔女の放浪記

まめざかたろう

第1話 追放

 ー2年前 王都・フルート


 私はパーティーと休息と物資補給のために訪れたフルートのある酒屋にいました。


「トリニア、君はもうこのパーティーにはいらない。いや、もう連れていけない」


 勇者、つまりパーティーのリーダーであるマリクがそう言った時、私の頭は真っ白になりました。


 クビ? ウソでしょ? これまで一緒にやってきたじゃない…


「り…理由は…? 」


 震える声で私が尋ねるとマリクは冷静な声で言った。


「単純な話だ。君の力ではこれ以降の旅についていけない。君を守りきれない。君が頑張っていたのは知っている。しかしここでさよならだ。ここ、フルートに寄ったのも、すぐに君が故郷にすぐに帰れるようにするためだ」


 何も言い返せない。最近は魔物が強くなってきていたし、私の力不足で仲間を危険に晒すこともあった。


「…わかりました。あなたたちとの日々は楽しかったです。残念ですがさようなら。またどこかでお会いしましょう」


 私は震える手で荷物を持って酒屋を飛び出す。

 バタン! という扉の音ともに。


 わかっている。マリクらは正しい。勇者業は命懸けで、足手まといを持てる余裕はない。私が悪い…

 でも…


「悔しいなぁ」


 これが私の本音だった。

 目から流れる熱いものは止まらなかった。


 ーひとしきり泣いたあと、私は冷静になり、これからを考えました。

 パーティーに入っていない魔女に食い扶持はありません。かといって新しいパーティーを探す気も起きませんでした。

 マリクの意図を汲んで故郷に帰ることも考えましたが、先生や家族に見せる顔がありません


 結局私が出した結論は


「旅に出ましょう。1人で」


 もはや魔物と戦う気など毛頭ありませんでしたが、その反面、魔女としての実力不足を実感させられてしまったことに、「悔しい」という気持ちは強くありましたし、忘れたくもなかったのです。

 そもそも私は世界を知るためにパーティーに入ったので、今度はそれが1人になるだけです。


 気ままな旅、という私の方針はこの時定まりました。


 最初の目的地はあまり迷いませんでした。




 ーというのが、私が旅に出るまでの経緯です。

 少しは理解していただけましたか?



 では、次の旅でお会いしましょう。

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