ある日・誰かの走馬灯

大谷結実

ある日・誰かの走馬灯

ある日の夜、昔よく遊んだ人との思い出が突然頭に浮かんだ。滑らかな映像として思い出され、「懐かしいな」とともに「何故だろう」と思った。

一緒に遊んだのは3年くらい前だろうか。近所ではあるが、なんとなくすれ違うようになった。私の友達のきょうだいだから、直接関わることは当時から無かったので、当然のことではある。

しかし、あまりにも鮮明に、音声と同時に大量に思い出したので、何事だろう。


同時刻に私の家族が、私が思い出した人の家の方向で大きな光が見えたらしい。しかし、私にはその光は全く見えなかった。

ちょうど思い出していた時は、その家と反対方向の部屋にいたとはいえ、それほどの光なら窓の端から見えるはずである。しかし、私はその光には全く気づかなかった。


翌朝。

ポストにある物が入っていた。

私が思い出した人、私の家族が光を見た方向と一致する、その人の訃報が届いていた。

朝に新聞を取りにポストを覗いたときに、その訃報は届いていたため、かなり早い時間に入れられたのかもしれないと思った。


そうして、私は家族と顔を見合せた。

ひょっとしたら、私たちに最後の挨拶に来てくれたのかもしれないと思った。

死因は分かりませんが、小さい時に遊んだ人の元に順番に回っていたのかもしれない。


結局あの日に頭に流れた映像は何だったのか分からない。

でもあれは、その人の走馬灯だったのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある日・誰かの走馬灯 大谷結実 @Yumi-otani2025

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画