第4話
討伐を証明したことを示す、討伐部位の採取も、昨日はリーズ達は
「魔物に触れるのは……」
と、採取は僕がやっていたことなのに、3人ともあっという間にゴブリンの耳を採取していた。
昨日の3人が見せていた怯えた目、嫌そうな目は微塵も感じられず、またしても僕は何もしない状況だった。
森を出てギルドへ戻る道中も、僕の違和感は膨らんでいく。
「……ねえ、みんな。昨日、僕がいないところで練習とかした?」
再度となるが、聞かずにはいられなかった。そうでもなければ、3人の「阿吽の呼吸」の説明がつかない。
「練習……? ええっと、まあ……」
金髪の少女が、気まずそうに視線を泳がせる。
すると、ミリアが淡々とした声でフォローに入った。
「……さっきも言ったけど……イメージ・トレーニングの結果。夜通しシミュレーションでの論理的な帰結」
「夜通しって……そんなに?」
「当たり前です。あなたの命……いえ、パーティの安全が懸かっているのですから」
コクコクと頷くリーズとセリスに、僕は何も言えなくなった。
やはりというか、街へ戻る最中も、僕は後方待機だったため、僕はただ歩いて着いていっただけとなった。
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ギルドに戻り、討伐証明の部位を提出した。
受付の職員さんは、僕たちが戻ってきた早さに目を丸くしていた。
「えっ……もう戻られたんですか? 確か、かなり奥の集落まで行く依頼だったはずですが……」
「……全部、片付けました」
リーズはそっけなく答える。
ギルド内の他の冒険者たちも、こちらを怪訝な目で見ている。
「おい、あの新人パーティ……もう帰ってきたのかよ」
「女三人に、男一人だろ? 適当に切り上げて逃げてきたんじゃないか?」
「それに、森の奥まで冒険したって割には服も汚れてねえし」
そんな心ない声が聞こえてきた。
僕は苦笑いして受け流そうとしたが、その瞬間、背後の空気が凍りついた。
ミリアの周囲で、微かに魔力が爆ぜる音がした。
リーズの拳が、みしりと鳴った。
セリスが、慈悲のかけらもない冷徹な眼差しで、野次を飛ばした冒険者を射抜いた。
「(……まずい、喧嘩になる!)」
そう直感した僕は、慌てて彼女たちの間に割って入る。
「あはは、本当だよね。僕、今日一歩も動いてないし! 彼女たちが強すぎて驚いちゃったよ」
おどけて見せると、彼女たちの殺気がスッと消えた。
だが、その後に向けられた視線は、僕への怒りではなく――耐え難いほどの悲哀だった。
「……ノアさんは笑わなくていいのに」
が、消え入るような声で呟く。
「え?」
「いいえ。……早く報酬をもらって、帰りましょう。今日はもう、しっかり休んでください」
彼女は僕の手を両手で包み込んだ。
その手は冷たく、そして離すまいとするように、強く、強く握られていた。
僕のパーティメンバーは強すぎるし愛が重い。 薄明常世 @kam1225
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