第2話 フリじゃないと言ったよな!

登場人物は増えなくていいと言った。しかし教室には30人以上の生物がいる。あえて言おう生物と。理解出来ないものは同じ人間ではない。だから生物で十分だ。充希が近づくせいで他の生物まで寄ってくるのだ。その生物もやはり充希と同じように気軽に話しかけてくる。

「おう、颯介!また充希に絡まれてるのか?俺が助けてやろうか?今なら安くしておいてやるぞwww」

登場人物が増えてしまった。まぁ仕方ない。これも腐れ縁か。同性のクラスメイト、しかも小学校1年生からとなればとても希少だ。このチャラくて2枚目やっぱり関わるはずのない生物は梶原拓海(かじはらたくみ)どうして寄ってくるのかすら分からない、それこそ腐れ縁以外の呼び方を知らない生物だ。

「こっちに来るなって何度も言ってるよね?」

僕の言葉は拓海には通じない。何を言っても笑って面白い冗談に感じるらしい。

「もう、拓海ったら、颯介困ってるじゃんwww。早くどっか行ってよ〜。」

「いやいや、颯介はお前が居るから困ってるんだろ?充希の方こそどっか行けよ。」

どっちもどっちである。

少しは自覚して欲しい。貴重な休み時間が刻々と過ぎていく。僕はひとりラノベの世界に浸りたいのだ。ゲームだって今やらないと次の休み時間までにスタミナが溢れてしまう。リア充の楽しいやり取りは迷惑なだけだ。だからハッキリ言ってしまおう。このふたりにならそれくらいは言えるのだから。

「ふ、ふたりとも静かに.....してくれないかな?みんな.....きっと、迷惑、してる、から.....」

どうだ!言ってやったゾ!ふたりとも驚いて声も出ないようだ!と思ったらふたり顔を見合せて笑い出した。

「はっはっは〜なんだよそれ!」

「ん〜、もう面白い、何それ。」

ふたりそろって大爆笑だ。僕はそれほど変なこと言ったのか?良かったチャイムだ。ほんとは休み時間が終わってしまって何も良くないのだが、とりあえず解放された。

結局フリじゃないと言ったのに登場人物が増えてしまった。まだふたりだ。まだ何とかなる。次は余計なことは言うまい。フリみたいになったのがいけなかったのだそう思うことにしよう。

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