脊髄反射でガン見したい彼女
可愛い杏仁豆腐
第1話 友達というか親友
その日、大成は疑似デートの誘いを受けることになった。
昼休み。校内は一段と賑やかになっていた。とある教室から3人の話声が聞こえる。
茶髪で髪をポニーテールに結んでいる女子高生が大成の肩を叩き、強制的に眠りから覚ます。
「で、なんだって?」
話を聞いていたことにしていた大成はあたかも知っている風にその女子高生に問いかけた。
「だーかーらー今度私の冬に着る洋服を三人で選びに行くって話!」
若干頬を膨らませているがしっかりと伝えてくれる。
「
今度は清潔感のある男子が苦笑いをしながら大成の攻撃に追い打ちをかけた。
「僕もあんまり自信はないけど、咲茉よりは自信あるかなぁ」
「なっ!?」
こちらの女子高生は
そして大成と咲茉の間に座るさわやか系イケメンは
この二人は大成の信頼できる友達で、大成の好きな人、
「その買い物って本当にオレ必要か?オレもセンス無い方なんだが」
「大成はそれでいいんだよ、おでんで言うとこのしらたきみたいな?」
『どんなだよそれ』
結茉は何で伝わらないの?とでも言いたそうな目で大成と湊を交互に見つめた。
当然二人には伝わるはずもなく。
「まあ大成もついでに僕が選んであげるからさ。」
そう言いながら湊はどう伝えようか首をかしげていた結茉の首を縦に戻す。
結茉は数秒間ポカンとした顔をしていたが本題を思い出したように話し始める。
「じゃあ大成も行くとして、今週の土曜は湊の塾だからー、日曜?」
大成達三人は出かけることが多いため基本的なスケジュールをシェアしている。
三年生は部活を引退する年であるため、去年や一昨年に比べると時間は必然的に空いてしまうものだ。
「異論ないかな」
「オレはまだ行くとは言ってないんだが」
「そしたら日曜は午前中からショッピング祭りといっちゃうかぁ!」
結茉は教室全体に聞こえるレベルの声で発声する。幸いなことに今の時間は昼休みなこともあり教室にいた人は少なく、結茉の声を聞いて振り向いてきたクラスメイトには大成と湊が軽く謝ったことで大事にはならずに済んだ。
そしてなぜか大声を出した本人、結茉が湊の席でチマっとしている。なんでだよ、とツッコミたいところではあるが、他のクラスメイトに自分の大声を聞かれて恥ずかしいんだろう。そうやって二人は咲茉のことを認識している。
「ま、まぁもう授業も始まっちゃうし帰りにまた話そうか」
このままでは何の進展もないと判断した湊が、昼休みの時間を理由にして話を切り上げた。
「そうだな」
午後の授業はニヤニヤしながらこっちを見てくる結茉がおとなしかったからか、大成はいつもより集中して授業を受けられたと感じた。
ホームルームが終わると三人は揃って帰り道を歩き始める。
数十分歩いたところで湊の家に着き、結茉が湊に話しかける。
「じゃあ日曜日の10時にショッピングモールのフードコートでねー」
「わかったよ。二人ともまた日曜ね」
「またな」「またね」
湊と別れた大成と結茉はまた歩き始める。大した話はしなかったが一つだけ、
「今日実は、結月ちゃんと廊下で会って話したんだよー」
と報告して来たとき、大成は女子っていいなと感じさせられた。こうして数分経ち、結茉の家に着いた。
大成は忘れているかもしれないと思い結茉に一言、
「日曜10時だぞ」
その言葉に対し結茉は少しむすっとした顔をしながら
「知っとるわい!」
大成は咲茉と目を合わせ、少しの間笑い合った。咲茉が家の中に入ったのを見て大成はワイヤレスイヤホンを耳に装着し、音楽アプリを起動し、適当に音楽を流した。流れてきた曲は失恋ソング。
「縁起悪いからやめてくれよ、ホント」
大成はスキップボタンを押した。
家に帰った大成は風呂に入り、今日の授業内容を振り返った。
一息ついたところで充電ケーブルに刺されていたスマートフォンを抜き、画面を光らせると丁度、一件のメッセージが届いた。
その通知の送り主は 白井結月 と書かれていた。メッセージを見ると、
『協力してもらいたいことがあるんですがいいですか』
というものだった。
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