異世界召喚された勇者の専属メイドは皇帝陛下の忠実な雌だった ―勇者様の知らない『秘密の帰省』

@SFDLB

第1話 召喚

「……ッ。何だ、ここは……?」



 閃光とともに現れた男は、眉をひそめて周囲を見渡した。

 足元には複雑な幾何模様の魔法陣。

 取り囲むのはローブ姿の魔導士たちと、重厚な鎧に身を包んだ騎士。

 正面、その先には玉座に並ぶ皇帝と皇后の姿があった。


「よくぞ来た、異界の勇者よ!」


 高らかな皇帝の声に、男は怪訝そうに聞き返す。


「……勇者?」


「そうだ。我らを魔王より救う為、この世界に招かれた英雄だ」


「魔王? 英雄? ここは一体……」


 皇后が静かに口を開く。


「ここはエリュシオン帝国。魔王復活の兆しにより、魔物が活発化しておる。民を守る為、お主の力が必要なのじゃ」


 男は顎に手を当て、短く息を吐いた。


「……なるほど。異世界転移、ってやつか」


 理解の早さを見て、皇后は本題に入る。


「ならば話は早い。お主の力で魔王を討ってほしい」


「フッ……、だが断る!」


 男が堂々と宣言した。


「なっ……!?」


 その言葉に周囲はざわつく。


「ほう……それは何故……?」


 皇后の眼が妖しく光り、不敵な笑みを浮かべ、思考を探るように男を見やる。


「当然だろ?いきなり呼びつけておいて、周囲をおっかない連中で固めて、無理難題押し付けて、はい、そうですか。なんて納得するわけ無いだろ?」


「大体、人に頼むのに自分達はふんぞり返ってるのが気に入らねえ」


 ヅカヅカと歩いて、玉座に座る皇帝へと近づく。


「自分の国の事は自分で何とかすべきなんじゃないか?いい様に使われて後はポイなんてまっぴらごめんだぜ」


 男は言い放つ。


「貴様ッ!陛下に向かって何という無礼!?」


 側近と思われる男が剣を抜く。


「良い」


 今にも斬りかかろうとする騎士がその言葉に動きを止める。


「ふむ……。そなたの言う事はもっともだ」


 皇帝が玉座から立ち上がる。


「無論、我々も全力を尽くす。だが、魔王の軍勢に力は及ばない。改めて勇者である君の力を貸して欲しい」


 深々と頭を下げる様子に男と周囲の者達は狼狽える。


「ま、まぁ……。話は分かるけどよ、タダでって訳じゃねぇよな……?」

「……王様自らそこまで頼むなら、引き受けてやっても良いけどよ」


 男は頭を掻きながら強く握られた手を握り返す。


「おお!有難う勇者よ!」


「魔王を討伐した暁には望む物を与えよう。元の世界に戻りたいのであれば、我々の力で元の世界へ戻す事も出来る。何なりと言ってくれ」


 皇帝は更に続ける。


「お、おう……」


 完全に話の主導権を握られ、男は狼狽える。


「勇者よ、名は?」


「俺は神代かみしろアキラ」


「余はオーレリウス・フォン・エリュシオン。勇者アキラよ、よろしく頼む」


「ああ、よろしくな王様!」


  騎士たちが一瞬ざわつくが、皇后が薄く微笑み、軽く手を挙げ制する。


「勇者よ。慣れぬ世界で不自由も多かろう。そこで、特別に一人、従者を付ける」


「帝国でも指折りの者だ。身の回りの事はもちろん、あらゆる事に通じている。困った事があれば、遠慮なく頼るといい」


 皇帝の言葉に応じ、一人の女性が静かに前へ進み出た。


「シエラよ、頼んだぞ」


「はい。仰せのままに……」


 控えていたメイドは、流れるような所作で歩み寄り、スカートの裾を広げて優雅に一礼する。


「勇者アキラ様。以後、どうぞよろしくお願いいたします」


 銀色の髪をきちりと纏め、感情を表に出さぬ冷静な佇まい。

 その均整の取れた美貌に、アキラは思わず息を呑んだ。視線を合わせる事も出来ず、頬をわずかに染めて視線を逸らす。


「……お、おう。よろしく……」


 その様子を気にも留めず、シエラは淡々と告げる。


「では、寝室へご案内いたします。どうぞこちらへ」


 静かな足取りで先導する彼女の背を追い、アキラは玉座の間を後にした。


「こちらのお部屋を、ご自由にお使いください」


 そう告げて一礼し、シエラは壁際に控えた。

 アキラは室内をひととおり見て回り、簡素ながらも整えられた調度に小さく感心すると、ベッドに腰を下ろす。

 柔らかな感触が、ようやく現実感を伴って身体に伝わった。

 その間にも、シエラは事務的に今後の予定を告げていく。


「シエラさんも大変だな。命令とはいえ、男の俺としばらく二人旅なんてさ」


 軽口のつもりだった。


「いえ。これも仕事ですから」


 返ってきたのは、抑揚のない即答。


「身の危険とか感じたりしないの? ほら、身の回りの世話もするって言ってたしさ。こっちの世話も~なんてさぁ」


 半ば冗談交じりに言い終える前、シエラが一歩、距離を詰めた。


「……お望みでしたら……」


 低く落とされた声と同時に、指先がアキラの衣服に掛かる。

 留め具が外され、布が引かれる感触に、彼は目を見開いた。


「え、ちょ――」


 軽口のつもりだった言葉は喉で詰まり、アキラは突然の出来事にただ狼狽するしかなかった。


 シエラの纏う甘い香りが、ふわりと鼻先を掠めた。

 近づくたびに濃くなるそれに、アキラの思考は鈍り、顔はみるみるうちに熱を帯びていく。


「い、いや……! そ、その、冗談だから……! べ、別にそんなこと、しなくても……!」


 慌てて声を上げるが、シエラは首を傾げるだけだった。


「……? 勇者アキラ様がお望みでしたら、私は構いませんが」


 感情の揺らぎを一切見せぬまま、淡々と衣服を外していく。


「お互いを知る上で、効率的かと……。あくまで職務上、許容される範囲です」


 指先が触れるごとに、心臓の音がうるさくなる。

 逃げ場のない距離で、シエラは視線を落とした。


「それに……こちらは、そのように望んでいるようですが……」


 ズボンの上から隆起したそれを白い指先で撫でて行く。

 アキラは理性では拒むべきだと分かっていながら、その甘美な誘惑を振り払うことができずにいた。

 ズボンを脱がされ、露わになったそれは、皮が完全には剥けきらず、先端だけが覗いている。

 シエラは表情を変えぬまま手を添え、舌先で下から上へとなぞるように舐め上げた。


「うあっ……!」


 思わず漏れた声と同時に、身体がびくりと跳ねる。

 シエラは先端を舌で小刻みに舐めつつ、全体を包み込むように手で握り、優しく上下させていく。

 これまで味わったことのない感触に、アキラの身体は小刻みに震えた。


(なんだ……これ……自分でやるのと、全然……違う……!)


 腰から背筋へ、甘い快感が走り抜け、刺激に耐えきれず呼吸が荒くなる。


「シエラさん……俺……もう……!」


 先端は唾液に満たされ、ぬめりを帯びたまま、剥き出しになった部分へ舌の刺激が重ねられる。

 限界が訪れた瞬間、先端から白い精が勢いよく溢れ出し、視界が白く弾けた。


 アキラは強烈な快感と脱力感に襲われ、意識が遠のきかける中、シエラは一瞬だけ眉をひそめながらも、射精が終わるまで、淡々と手を上下させ刺激を続けていた。


「シエラさん……ごめん。俺……こういうの、初めてで……」


 アキラが気まずそうに視線を逸らすと、シエラは淡々と答えた。


「そうですか。別に気にする必要はありません」


 表情一つ変えず、彼女はハンカチを取り出し、頬や髪にかかった精を丁寧に拭っていく。

 その落ち着いた仕草が、かえってアキラの胸をざわつかせた。


「あ、あの……シエラさん。その……身体に、触れても……?」


 一度欲を解放したことで、心の枷が外れたのか、言葉は自分でも驚くほど素直に零れた。


「ええ。お好きになさってください……」


「……ごくっ」


 喉を鳴らし、アキラは両手でシエラの胸を掴む。

 服と下着の奥から伝わる柔らかな感触に、思わず息を呑んだ。

 しばらく服越しに触れてから、脱がそうとするが、勝手が分からず手が止まる。


 それを察し、シエラは自ら指をかけ、静かにメイド服を脱いでいった。

 女性が抱かれるために肌を晒していくその光景は、アキラの興奮を煽り、布が一枚落ちるたびに陰茎は再び硬さを取り戻していく。


 やがて下着姿になる。

 黒を基調に、レースで縁取られた大人びたそれに、思わず息を呑む。


(うわっ……エロい……)


 ブラが外されると、両手に収まりきらないほどの美しい乳房が露わになった。


「……んっ……」


 小さく漏れた吐息とともに、柔らかな感触が掌に伝わる。

 アキラは確かめるように、そして味わうように、その胸を揉みしだいた。


(これが女の子の……、服越しとは柔らかさが全然違う……、掌に吸い付いてくる感触だ……。色白で……桃色で……)


 興奮の絶頂にあるアキラはその美しい乳房にむしゃぶりついた。


「……そろそろ、よろしいでしょうか?」


 荒い息のまま胸に縋り、乳首を啜り続けていたアキラを、表情を変えぬままシエラが静かに制した。


「え……? あ、ああ……うん……」


 我に返り、慌てて手を離す。

 名残惜しそうな視線を向けるアキラを、シエラはそっとベッドへと横たえた。


「初めてとの事ですので……全て、私にお任せください」


 事務的に告げ、彼女は用意していたコンドームを手際よく装着し、アキラの上に跨る。

 そのまま自らの膣口に指を添え、潤いが足りないと判断したのか、陰核へと触れて刺激を与えた。


「……んっ……♡ あっ……♡ はぁ……♡」


 抑えた吐息と微かな声。

 女性が自らを慰めるその光景に、アキラは目を奪われ、呼吸すら忘れる。

 やがて、愛液が滴り落ち、彼の下腹部を濡らしていく。


「では……挿れますね」


 導かれるように、アキラのものが膣口へと宛がわれる。

 息を呑み、細く引き締まった下腹部から目を離せずにいると――


 ずぶ、ずぶぶぶっ。


「うああっ……!」


 熱く、湿った内側が絡みつき、竿全体を包み込む。

 脈打つような締め付けが連なり、快感が一気に押し寄せた。


「……童貞卒業、おめでとうございます」


 感情を滲ませぬままの言葉が、かえってアキラの興奮を煽る。


(女の人と……それも、今日会ったばかりの人と……)


 シエラはゆっくりと腰を上下させ始める。


「ま、待って……!」


 思わず尻を掴み、制そうとする。


(まずい……このままじゃ、また……!)


 だが、動きを止めたところで、膣内が与える極上の刺激から逃れる術はなかった。

 数度、上下に揺れただけで、アキラは耐えきれず精を解き放つ。

 内側で震える感覚に達したことを察し、シエラは身を寄せる。

 アキラはその身体を強く抱き締め、ヘコヘコと腰を押し付けながら、絶頂の余韻に身を委ねていた。





 部屋の奥、備え付けのシャワー室から水音が響いていた。

 行為を終えたアキラは、腰が抜けたままベッドに倒れ込み、立ち上がることも出来ずにいる。

 身体に残る感覚を、何度も頭の中で反芻していた。

 異世界に勇者として召喚され、美少女メイドに優しく童貞を奪われるという男なら憧れるシチュの一つ。


 召喚された当初は不安もあった。

 だが、あまりにも手厚い特別待遇を受けるうちに、ここは理想的な異世界なのだと、疑う事さえ無くなっていった。


 やがてシャワーの音が止み、シエラが裸のまま姿を現す。

 濡れた肌をタオルで拭い、彼女はアキラの存在など気にも留めぬ様子で、機械的に衣服を身に纏っていく。

 その一連の所作を、アキラはただ呆然と眺めていた。


(……こんなに美しい女性と、俺は……。それも、これから先も……)


 胸の奥が熱を帯びるが、言葉にはならない。

 身支度を終えたシエラは、何事もなかったかのように振り返る。


「では、明日からは旅の準備と訓練を行いますので。本日は、ゆっくりお休みください」


 事務的な声音を残し、彼女は静かに部屋を後にした。


(……シエラさんか。今はあんなにクールだけど、旅を続けてる内に俺の事好きになってくれたりして……。……へへ、俺、勇者だし!)


 扉が閉まった後も、アキラはしばらくその場から動けずにいる。

 この時はまだ、すべてが上手くいくと本気で思っていた。

 自分の選択の先に、輝かしい未来があると――疑いなく信じていた。

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