第二十章 いらっしゃいませ、最終決戦へ
朝が来た。
創太は店の前に立ち、地平線を見つめた。
遠くに、砂煙が上がっている。
魔王軍が、来る。
「店長」
リーナが隣に立った。
「準備はいいか」
「ああ」
創太は頷いた。
「じゃあ——行くか」
「ああ」
二人は、仲間たちと共に、戦場に向かった。
戦いは、熾烈を極めた。
魔王軍は三万。こちらは、わずか数百人。
数の差は、圧倒的だった。
しかし——
「第三陣、右翼から迂回しろ!」
カイルの指示が飛ぶ。
「補給部隊、第一中継地点に物資を!」
創太が叫ぶ。
「敵の後方、撹乱成功!」
リーナの報告が入る。
情報網が、戦場を支配していた。
敵の動きは、リアルタイムで把握されている。
味方の補給は、途切れることなく前線に届いている。
そして——
「魔王軍の中から、離脱者が出ている!」
カイルが報告した。
「何だと?」
「兵士たちが、戦線を離れ始めている。俺たちの『声』が、届いたらしい」
創太は頷いた。
戦いの前、創太は魔王軍の兵士たちに向けて、メッセージを発していた。
「武器を捨てれば、誰でも受け入れる。この店では、全員が客だ」
その言葉が——届いた。
「店長! 前線が押されている!」
「補給を増やせ! 医療チームを前に!」
創太は、戦場を駆け回った。
剣は持っていない。魔法も使えない。
でも——
「店長として、できることをやる!」
それが、創太の戦い方だった。
やがて——
「魔王が、動いた」
カイルの声が、緊張で震えていた。
「ザルヴァドール自身が、前線に出てきた」
「……」
創太は深呼吸をした。
「俺が、行く」
「店長!」
「一人で行く。お前たちは、ここを守れ」
「でも——」
「大丈夫だ」
創太は微笑んだ。
「俺は——店長だ」
そして、一人で歩き出した。
戦場の中を——
魔王の元へ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます