事実の拡散

不審な人物が自習室のドアの向こう側から走り去った10分後。


「ピポパポピポパン♪♪」

湊川のスマートフォンが電子音を鳴らす。


「ん……なんだろ?」

彼女はスマートフォンを手に取り、通知を見た。

ライム(メッセンジャーアプリ)のクラスグループ通知だ。


摩耶が横で画面を覗きながら、湊川はクラスグループチャットを開いた。


チャットには、摩耶と湊川が自習室で喋っている様子が写された写真が一枚。

その後に、クラスメイトたちによってこう綴られていく。


『伊川谷と湊川が自習室でいちゃついてた』


写真のリプライ:『えろ』


玉造たまつくり、クラスラインに貼らないでくんね この写真ムカつくから』


『湊川ちゃん可哀想だからやめてあげて……』


『なあ@太秦うずまさこの写真他クラスにも拡散して、お前他クラスと交流盛んだろ』


『おっけー』


そのチャットのやり取りを見た湊川の手は、恐怖でか弱く震えていた。


「あ……湊川さん、明日みんなにやめてっていうから多分大丈夫だよ。」

摩耶は無理をしたように頬を痙攣させながら言った。


「ううん。私、こういうの意外と平気なんだ。だから、私のことは気にしないでね。」


「寮同士も近いし、つらくなったら俺のとこに来てもいいんだからな?」


「うん……私はこれから寮に戻って休憩するから、伊川谷君も何かあったらライムで相談したりなんなりしてね。」

湊川はにこっと微笑んだ。

ポニーテールが微笑んだときに少し揺れるのも、また可愛いと摩耶は思ったらしい。

**寮に戻ったら、玉造に一応注意しておくか……**


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ツイン・ポートアイランド・タイムリープ 2進数 @kanoya-787

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