コテージにて

笹身さん

第1話

 コテージがみえてくるとナビが到着の合図をし『着いた』 ほっと息をつく。

 雪山の中で車を走らせ、約二時間半。免許を取って初めての遠出のため少し緊張していたが、ドライブも悪くない。既に車が4台止まっているので近くに車を止める。スマホで時間を確認すると8時を示している。集合時間は9時のはずだから、1時間前だ。時間を守れるいい人、そんな印象を与えようとしていたけど、みんな同じ考えのようだ。

 荷物を持ち出し、建物の中に入ろうとすると後ろから声をかけられた。振り返るとモデルでもやっているのではないかと思うほどのイケメンがいた。

 『君も参加者?俺、坂井勇斗、1週間よろしく。勇斗でいいよ』と手を差し出して握手を求めてきた。『そうだよ。浅野拓磨です。こちらこそよろしく』自己紹介をしながら彼の握手に応える。

 『可愛い子いるといいね、可愛くなかったらなぁ』勇斗が切実な表情で語りかけてきた。確かにね、と返しながらドアノブに手をかけコテージの中に入る。

 勇斗がそんな表情をするのも無理はない。

 今日から一週間、このコテージで男女八人の共同生活が始まるのだから。人生で一度も彼女ができていない俺でも、1週間同じ空間にいれば少しぐらいいい雰囲気になるだろう。

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