10分ですぐよめる!「余命10日」

トヒラ

死神との出会い1

俺はもうすぐ死ぬそうだ。

目の前にいる死神からそう告げられた。

みんなは『ラプラスの悪魔』をご存知ですか?量子力学の登場で否定された仮説なんですけど、その原子の位置と運動量さえ完全に把握できていればスーパーコンピュータもどきの悪魔が全てを計算してその原子の次に来る位置や早さを導くと言う考えです。要は未来予知ですね。目の前にいる死神がその力で予測してきてくれたらしい。本当に悪魔より悪魔みたいな見た目をしている死神は優しい顔して微笑んでくれた。あ、顔はないのか。かがんでる俺を見て死神が励ます。

「そう落ち込むなって!あと九日間も生きられるんだぞ!なんでもできんじゃん!」

死神らしくない可愛らしい声で励ました。これにはぼくも驚く。

「お前本当に死神か?しかも、俺は落ち込んでない。お金が落ちたから拾ってるだけだ。」

これは事実だ。

「紛らわしいな。なんか、照れるじゃないか。」

「照れんな。てか顔ねぇから照れてもわからねぇよ。」

「それは心外。」

「お前は人外だけどな。」

そんな、会話が続いた。。。

「なぜこの公園に?」

死神は問いかけるが、あまりに簡単な返答をする。

「両親と兄はハワイで旅行。妹は叔母の家で待機。結局ひとりぼっちだから、公園で暇を潰してたんだよ。何ジロジロ見てる。目潰すぞ」

「目ないけどね。」

「じゃあ逆に死因聞いても?」

「死因は入水自殺らしいよ!」

「一番ありえないな。なぜ?」

「すべてうしなって!」

「どうしてぼくなんだ!」

「別に誰でもよかったんだけどねー」

「結局運か。悪いのかいいのか。」

質問攻めをしまくってわかったことがある。

俺は何もかもを失い、ヤケクソになってとうとう入水自殺するらしい。でも今はこの生活に納得しているし、そんなん、するわけないだろうと安心していたのも束の間、電話で呼び出しがあった。その電話一本で急いで目的地までへ走った。息が切れ、空気の音がうるさいぐらいに。


「どしたんだよー」

死神は問いかけるが、俺はここでとうとう本当の死神だと信じることにした。

「俺の、両親とお兄ちゃんが墜落して行方不明だって。。。」

「うん、知ってる。」

まぁそりゃそうだよな。でも俺は泣かない。いや泣けない。ただ身内が減って落ち込むだけだ。だってあまりに毒親すぎた。兄にもコンプレックスをいじられ兄は万能。嫉妬もしていた。最低な俺は内心喜んでいた。

「嬉しいかー?笑」

ここで死神らしい一面を見られた。本当に人の気持ちがわからないような言葉しか投げかけてこない。でもそのおかげで強くなれそうだ。

「ただ、俺はそんくらいじゃ自殺なんか自傷さえしないさ。」

「それはいいことだけど、最低だよ。」

「いや、お前が言うか?!!」


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