第3話 影のいる町
駅を降りてすぐに右手に折れて1番近いコンビニに急ぐ。家から反対側になってしまうけど、コンビニはここ一軒しかないので仕方がないのだ。コンビニに入るとすぐにスナック菓子とあんぱんを手に取り無糖の缶コーヒーをお供にレジに運ぶ。
櫛田家の四女、ことは20歳大学生、横浜の私立美大に通う。
中肉中背で丸顔の親しみやすい可愛らしい顔立ち。
上3人の姉は、いわゆる美形だから誰に似たんだとみんなで話すたびに、結論はいつももらってきたのでは?と揶揄われ、やーだーそんなこと言わないでと明るいピエロのように末っ子を演じて育った。
いつものコンビニでいつものパートのお姉さんと学生バイトが生真面目に接客をしている。
コンビニとはいえ、商店の少ない北鎌倉では店頭で野菜や果物も扱うのだ。
支払いの時、バイトの男の子に「果物入荷しました、いかがっすか?」と言われた。
ことはは笑いながら
「やだ、もう会計じゃん。おすすめ遅くない?」と顔見知りの気楽さでかえした。
バイトくんはにやっとわらうと
「そうっすよね、営業トークってやつです。でも追加があればすぐにレジ打ちなおししますよ。是非今度、見てください、店長肝入りの青果なんで」
買ったものを袋に手際よくいれながら、ニッと笑った。
ありがとうと返すと、ことはも笑顔を返しコンビニを後にした。
何歳なんだろ?ことはより年下に見える。しっかりしてるな少年よと呟くと信号を渡り家路を急ぐ。
今日は珍しく家族全員がそろう日だ。揃う分だけ格式が謎に上がる。
格式が上がった日の食事は、20歳の食べ盛りのことはにはなんだか物足りないのだ。
大食いだからというのもあるが。。。
ポテチ、コーヒー、あんぱんだ♩ポテチ、コーヒー、あんぱんだ♩
1人なのにリズムをつけてあかるく謡う、自分を鼓舞するように早足になりいつもの路地を右に曲がった。
その時、ゆらりと人影が動いたように見えたがことは気にすることなくすすんでいった。
ここは少し緩やかな坂。
呼吸を整えて前を見ると、こっちを凝視する背の高い青年が竹ぼうきを持って立っている。
時空が揺れた。はっきりと2人のあいだの空気が歪み何やら不穏な人影が数名蠢いているのが見えた。こんなに鮮明に見えたのは久しぶりだったので思わずたじろいでうおぉっと尻もちをついてしまった。
読んでくれてどうもありがとう😭
★でやる気倍増です。
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夜を揺らす〜鎌倉四姉妹家族異能編〜 真夜 @sana4254
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