ふうはり 🫧

上月くるを

ふうはり 🫧



ままごとのやうなまな板寒卵

寒きびし電子レンジに廻る皿


加湿器にふうはり頬の解けゆく

分かち合ふ蜜の仕合せ冬りんご


冬雲がひとつちぎれて浮いてゐる

子どもの目線犬の目線の吹雪かな


この路地を抜けて木枯しいづこへと

かつてミニシアターのビル日脚伸ぶ


置配の完了メールや室の梅

春隣買つてみたきは宝くじ


鐘冴ゆる豆大福の豆透けて

撫肩の無口の多弁もがり笛


山眠るコンテナハウスの窓灯り

リカバリーウェアの温し春近し


吸ふよりも吐く息だいじ寒土用

ひゆうらりと風に乗りたる雪女


もしも絵を描けたら竈猫をまづ

振つて出すシャーペン芯や冬灯


冬服もベッド収納のみに足る

柱鳴る寒夜の長さことさらに




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