影達の鎮魂歌〜忍びのレクイエム〜

深夜 幻夢

〜開幕〜




時は、戦国時代。


同じ赤い血の流れる人間同士が憎み合い、殺し合った時代。


その戦国時代に、人知れず生きる者達がいた。


その者達とは……忍び。


闇の世界に生き、命を賭け戦う忍び達に、明日という文字はない。


そして、例え、戦いに敗れ、死すとも、その屍を拾う者もいない。


闇に生きる忍び達は、人であって人で無し。


そう……まるで、影のような存在であった。


その影のような存在である忍びは、常に非情の心を持っていなくてはならない。


少しでも、情けを持った者には、死あるのみ。



その忍びの世界に生きる一人の男がいた。


名を影龍。


非情の心を持ち、命を賭け戦ってきた彼だが、ある日、突然、忍びの世界を抜けてしまう。


忍びの世界を抜けた忍びの事を抜忍(ぬけにん)と呼ぶ。


抜忍となった影龍は、元は仲間であった忍び達に追われる身になる。


抜忍になるという事は、仲間への裏切りであり、裏切った忍びには、死が待つだけである。


その事を分かっていながら、何故、影龍は、忍びの世界を抜けたのか。


何が非情の心を持つ彼を動かしたのか。




抜忍となった影龍と忍び達の戦い、その戦いの中で、彼が出会った人々との物語が始まろうとしていた。

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