耳の小さなエルフたち。

フリオ

プロローグ

 少女フルエルは極東の国からやって来たエルフである。

 

 大陸の覇権を担うカジェット皇国は国家として自国の経済成長を最優先に取り組み、その過程で数々の環境問題を引き起こしていた。破壊されていく森林に心を痛めたフルエルは環境活動家として行動を開始する。


 特徴的な長い耳と美しい容姿を持っていたフルエルは、その主張の正当性も相まってカジェット皇国だけでなく周辺諸国でも人気を博した。その結果、国家の治安維持を目的とする聖騎士に目を付けられ逮捕されることになる。


「少女フルエル。第1009エルフ部隊に配属。刑期三年」


 裁判官によって刑期を言い渡されたフルエルは長い耳をぴくぴくと動かした。


「エルフですか?」






 勇者による大魔王討伐が失敗に終わった現代。


 人類の生存圏というのは魔王と聖女による力の押し合いによって決定する。


 その押し合いのなかで様々な作戦に使われるのがエルフ部隊。


 魔王と聖女の戦いの最前線で命を惜しまず戦い続けたエルフ。


 長寿で美しい容姿と長い耳を持つエルフ。


 この二つは同じ名を持つ全く別のものだった。

 

 

 

 

 


 

 

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