【声劇台本】十二国記アンジャッシュ

澄田ゆきこ

本編(注釈あり)

※Aくん:十二国記の話をしている。

※Bさん:現実問題だと思って受け取る。


B:あの、Aくん、ちょっといい?

A:ん?

B:あのさ……昨日の放課後、Aくん、すごい怒ってなかった……?

A:えっ、なんの話?

B:だって、Aくんがガン詰めする声が聞こえたし、ちらっと見たら、いつも仲のいいCくんが土下座してて……。Aくんがあんなに怒るなんてよほどのことかなって。私でよければ話聞くよ。

A:……あ、陽子のやつか。(ぼそっ) ※十二国記ファン仲間のCくんと禁軍一喝の名シーンを再現して楽しんでいた。

B:陽子……って、彼女さん? ※女の子絡みの修羅場と解釈。

A:いや、あれは遊びだよ。 ※ただの演技だから心配ないよの意。

B:……えっと……AくんのセフレをCくんが寝取ったってこと……?(恐る恐る)※遊び=身体だけの関係と解釈。

A:……?(なぜそうなったの顔) あー、違う違う、陽子は女王だよ。 ※物語の設定。慶王・陽子のこと。

B:女王様!? Aくん、そんな趣味(性癖)が……? ※SMだと解釈。

A:ん? 最初からそういう(読書)趣味だけど……。強くてかっこいいよ、陽子。 ※主人公として。

B:えっ……あの……女王様って……ムチとか持ってるの……?

A:いや、剣かな。 

B:剣!? 刃物の!? ※刃物プレイと解釈。

A:うん。

B:斬ったりするの……?

A:まあ、剣だし。

B:痛くないの……?

A:あれはむしろ癒すものでもあるよ。 ※宝剣の設定の話。

B:癒されるの……? ※変態性として解釈。

A:そうだね。

B:ハードすぎない? ※プレイが。

A:確かにハードではあるかな。 ※世界観が。

B:(小声)……あ、あっさり肯定……?

A:よかったら貸そうか? ※小説の話。

B:陽子ちゃんを!?

A:まあ、最初は陽子かなー。 ※一巻目『月の影 影の海』のこと。陽子が主人公。

B:あれが入口なの!? ※刃物プレイの入門扱いに震えている。

A:うん。最初はしんどいけど、途中からどんどん面白くなるから。 ※小説の展開の話。

B:なにそれこわ……。てか普通に犯罪じゃない? 大丈夫? ※刃物プレイを楽しむ秘密の地下クラブを想像。

A:何が?

B:だって私たちまだ未成年じゃ……?

A:関係ある……?(怪訝そうに) ※小説に年齢制限はないの意。

B:え゛っ……!? ※アウトローの開き直り宣言に聞こえている。

A:ていうかこれ、もともとは少女向けに作られたやつだよ? ※もともと少女小説レーベルから発刊されていたの意。

B:余計まずいよ! ※非合法SMクラブ説浮上。

A:そう? 陽子も女子高生だけど……。 ※一巻開始時の設定。

B:女子高生が女王様なの……!? ※非合法SMクラブ説確定。

A:うん。最年少だと十二歳の子もいる。 ※恭王・珠晶の即位年齢。

B:十二歳はまずいよ! 

A:大丈夫だよ、肉体年齢の話であって精神的には違うから。 ※王は即位すると不老になるため。

B:余計あかん! ※正当化に聞こえている。

A:そもそもあの子は素質があって選ばれただけだし……。 ※天に王の器として認められた。

B:そ、そんな、無理やりみたいな……。 ※スカウト事情に聞こえている。

A:いや、無理やりどころか、誰より自分の意志で進んできた子だよ? 見たらわかる。※『図南の翼』本編の話をしている。

B:いやいやいやいや。余計だめでしょ。 ※犯罪者の常套句に聞こえている。

A:……?

B:……ていうかAくん、随分その子が好きなんだね?

A:あの子は芯が強くて魅力的なんだよね。最後のビンタが特にいいよ。 ※『図南の翼』ラストシーンの名場面の話。

B:ビンタ……!?※完全にそういうクライマックスとして捉えている。

A:あれはいい意味で鳥肌立つよ。 ※物語のカタルシスで。

B:まって……。Aくん、ただの読書好きの男の子だと思ってたのに……。これが優等生の闇……?(泣きそう)

A:え? 本の話だよ……?(きょとん)

B:ほ、本……!? なんだ、本か……。(安堵)

A:うん。『十二国記』っていうファンタジー小説のシリーズ。知らない?

B:し、知らない……!

A:なら今度、一巻持ってくるよ。さっき言ってた陽子が出てくる話。

B:うん……! ぜひ! なんかごめん……!

A:なんで謝るの……?

B:なんでもない! なんでもないよ!

A:そう? ならいいけど。

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