第7話

 僕たちは腕を絡ませ合う。私と僕が抱き合おうとした瞬間、肯定と否定が短絡し、強烈な閃光が宇宙空間に走る。


 光りが古い因果律を焼き尽くす。僕たちは新たな灯火となり、超高温・超高密度の火の玉になって、空間そのものが、一瞬でとてつもない大きさに引き伸ばす。全ては光の中に消え、ハイパーインフレーションした玉のように熱くドロドロした状態の宇宙は、光や、星や素粒子を産む。ビッグバンとはかくして起こった。

 この宇宙は一度リセットされた。

 それに膨張がかかり、宇宙は次第に冷却されていく。

 温度が下がり、光がまっすぐ進めるように宇宙の晴れ上がりが起こる。

 数億年後漂っていたガスが集まり、最初の星や銀河が誕生する。

 そしてまた、新しい物語が生成されはじめた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る