孤独を抱える少女が異世界を通じて成長していく物語を読み進めながら、主人公と伴走していきたいという気持ちが自然と芽生えました。
たとえ異世界でも、そこにあるのは人間の心に潜む血のかよった確かな感情であり、異世界が現代に通じる装置としてしっかり機能していることに共感を覚えました。
異世界ものは数字で成長を確認することを機軸とするものが多いなか、少女が成長していく姿は数字を超えて響いてくるものがありました。
危機的状況という設定だからこそ必死になり、切り抜けることで成長が加速する。
まさにそれも現代に通ずるものであり、読みながら生きる活力やヒントを与えてもらっている心地がしました。
どの話を開いてもストーリーテリングとしての質の高さを体感できる、共感性に富んだ成長物語です。
この作品は、静かに積み上げられた“リアル”がとても印象的でした。
ゲートが現れ、魔物がいるダンジョンに入る。
その過程でこの作品はもとても丁寧に“人が強くなる過程”を描いていると感じました。
最初の戦闘の恐怖。
身体能力が上がったことで起きる感覚のズレ。
気配は消せても匂いでは見破られる、という気付き。
そして、それらを一つ一つ反省して、次に活かしていく主人公の姿。
レベルやステータスが上がることよりも、
経験して、考えて、修正していく過程がしっかり描かれているのがとても好きでした。
また、ダンジョンの緊張感とは対照的に描かれる学校や家での静かな日常も印象的です。
友人との距離感、父との会話の少ない関係など、主人公の生活が自然に感じられて物語に深みを与えていました。
そして何より、
「強くなる」ということを数値ではなく“選択できること”として描いている点がとても良かったです。
この物語を読み始め、
主人公がこの先どこまで進んでいくのか、とても楽しみになりました。
読んでみてください。おすすめします。
続きも応援しています。
ゲートと呼ばれる別次元への扉が開いた世界で、言葉にできない不足を補うため、主人公が戦いに挑んでいく現代ファンタジー作品です。
主人公は家庭に少しだけ問題を抱えた女学生。
日常にささくれ立った不快感こそありませんが、何もないゆえに何かが摩耗していく感覚に襲われています。
そんな日常を変えたのは、ゲートと呼ばれる異空間の出現。
何かを変えたいと願った主人公は、小さな逡巡を終えるとゲートに突入。
内部のモンスターを倒し、まるでゲームのようなステータスとジョブを手に入れます。
この行いの果てに望む目標はない。けれども、力を手に入れるのを止めるつもりもない。
主人公は連日ゲートに挑み、力を高めていきます。
ゲートとは何なのか。そして、主人公は力を取得してどんな道を歩んでいくのか。
ぜひ読んでみてください。