報告書

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XXX報告書



マガモノ。

人を襲う黒い影の塊のような怪異を仮にそう呼称する。


戸草とぐさ銀人ぎんじはマガモノと人との「混合物」であると医療班は仮定する。


怪異との親和性が高く、怪異を見る目を持ち時には怪異と共鳴し血は怪異を呼び寄せる。

現状、戸草の体内は人間の血と怪異の血が混ざって互いを均衡しあってなんとか状態を保っている。

しかし、人間の血は怪異の血に比べると劣勢でこれを放置しておいたものはマガモノ、つまり怪異と同じように人を襲うようになることが過去の個体から確認されている。

一時的に進行を抑える対策として名護なごまつりの血液の摂取を実施する。

名護は特殊体質であり、怪異の力を無効化する血を保有している。

血を摂取する以前、戸草は飢餓感と喉の渇き断続的な意識の混濁を訴えていたが次第に改善の余地が見られる。


当面の間、血液を投与しつつ経過観察を継続する。


なお、戸草がマガモノと変化した場合は怪異として処理することが検討される。



報告は以上。




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 報告書の受理後、戸草は怪異特務課に異動になった。

 報告内容を知っているのは名護と蕗島、警察の上層部の人間に限られている。


 戸草は現在、名護の施しを受けないと生きていけない。

 名護は生命線で、名護に見捨てられたときに戸草は人として死ぬのだ。

 そして、おそらくそのまま怪異として処理される。

 今日も人の中に潜むようにして戸草は息をしている。

 紛いものとして。


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