一感情全偶然
森本 晃次
第1話 プロローグ
この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、説定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和6年9月時点のものです。お話の中には、事実に基づいた事件について書いていることもあれば、政治的意見も述べていますが、どちらも、「皆さんの代弁」というつもりで書いております。今回の事件も、「どこかで聞いたような」ということを思われるかも知れませんが、あくまでもフィクションだということをご了承ください。
松島隼人は、今年45歳になる中年男である。この度、20年以上も務めた会社をリストラになり、就活をしなければいけなくなった。
リストラというのは、自分だけではなく、いわゆる、
「会社の事情」
ということでの、
「大量リストラ」
ということであった、
今では珍しくもなく、リストラの理由としては、
「一番多いのではないか?」
といわれる理由としての、
「吸収合併」
というものであった。
「吸収される側の会社」
ということであれば、たまったものではない。
「当然、社員のほとんどが、リストラ対象」
ということで、昔であれば、
「藩のお取り潰し」
ということでの、
「浪人が街にあふれる」
ということになる。
職のない人間が、職安や派遣会社に登録するこの時代、とりあえずは、
「何とか宣伝部で培ってきたデザイン関係の経験とスキルを活かして」
ということで職を探していたが、今回、そこまで時間が掛かることもなく、何とか就職を決めることができた。
今回は、人材斡旋の民間会社から、
「専門職を持っている人の人材を派遣する」
という派遣会社への登録をすることで見つけることができたのだった。
いわゆる、
「一段階、ステップを挟む」
ということであるが、
「専門職を探す」
という意味では、選択肢としては間違っていないといってもいいだろう。
なんといっても、最近の就職というと、
「人手不足」
といわれてるわりには、なかなか自分からだけで活動していて決まるものでもない。
特に、
「スキルと経験を生かす」
ということを目的とすれば、その方法が一番いいだろう。
実際に、ネット広告であったり、ハローワークでの紹介ということになると、
「応募の数が多い」
ということで、なかなか、
「狭き門」
ということになるのだ。
実際に、
「就活の難しさ」
というのを身に染みて分かったといってもいい。
最初の頃は、求職側がまったくなくて、選択の余地のない状態ということであったが、
途中から、求人が増えてきた。
たぶん、期というもののタイミングということで、求人が増えたのだ。
しかし、逆に考えれば、
「求人が増えたということは、その分、人が辞めた」
ということであり、その分、求職者も増えたということである。
そういえば、
「失業手当のための給付において、期の切れ目くらいは人が密集する」
ということではないか。
「休職も求人も」
「多いのがいいか、少ないのがいいか?」
ということで、どちらがいいのかは、一概にはいえない。
職種によっても違うだろうし、要するに、
「相手が求めている人間が、自分に当てはまっているか?」
というだけのことである。
就職活動において、そのあたりを見極めておかないと、いたずらに時間をやり過ごすことになるだろう。
そういう意味では、
「自己分析」
と、
「世情の分析」
というものが大切だということになるだろう。
そういう意味で、
「何か経験とスキルで勝負できるのであれば、それに越したことはない」
と思ったのだった。
もちろん、
「年齢的な壁」
というのもあるだろう。
とりあえずは、営業スキルもあることから、ちょうど、
「デザイン関係の人がほしい」
ということから、
「専門職派遣会社」
からの紹介ということで、入社することができたのだった。
入社できるようになると、ちょうど、自分が以前やっていた仕事が、求人とぴったり言ったことで、会社側も、
「いい人材を得ることができた」
といって、半年の研修期間が済むと、役職付きで、
「課長代理」
というポストが用意されていた。
そのかわり、それだけの責任もあるということになるわけだが、新しい会社と、前の会社では、営業先が結構かぶっており、
「以前からの知り合い」
ということで、営業はやりやすかった。
「松島さんが相手ということであれば」
といって、契約にこぎつけるということも多かった。
実際に、
「前の会社から、今の会社に乗り換えてくれた会社もいたくらいだ」
ということである。
もっといえば、前の会社は、前述のとおり、
「吸収合併された」
という側の会社で、実際に、
「会社内では、混乱となっていた」
ということであった。
実際に、営業においても、ちゃんとした引継ぎもなく、
「大量リストラ」
という名のもとに、
「本当に何が大切なのか?」
ということを、
「本当に分かっているのか?」
ということである。
吸収合併ということになる会社には、
「吸収する側」
と、
「吸収される側」
というものがある。
普通であれば、
「吸収される側の社員」
というのが、
「憂き目を見る」
ということになるのだろうが、実際には、
「吸収する側」
という方も、いい思いをしないということもあるのだ。
というのが、
「そもそも、吸収される会社というのは、業績が悪く、倒産の憂き目にあっているという会社であるが、実は、その業界のシャアや、顧客をたくさん持っている」
ということで、
「倒産させるよりも、合併ということで、いいとこどりを狙う」
ということである。
しかし、実際には赤字会社を引き受けるわけで、
「吸収する側」
としても、
「利益は減る」
ということになるのだ。
社員としては、
「今までと同じように利益を出してきたのに、余計な会社を合併したことで、合併会社の赤字を含めると、全社的には、利益は急落する」
ということになる。
それを、現状社員が引き受けるということになるのだから、
「今まで通りに利益を出したのに、昇給幅が急落した」
ということであれば、
「余計なものの引き受けやがって」
ということで、合併された側の社員に対して、かなりの鬱屈した気持ちになるということである。
ただ、なんといっても一番の憂き目を見るというのは、
「リストラされる社員」
ということで、経営陣の責任を請け負うことになると思うと、
「やっていられない」
と思うことだろう。
就職活動にしても、
「入った会社が、また倒産であったり、合併されるという浮き身を見ることになってしまったら」
ということで、どうしても、慎重になり、簡単に、仕事も決められないということになるだろう。
だから、問題なのは、
「就活に入る前の、分析」
ということになるだろう。
「どこでもいいから職を」
ということで闇雲に探すと、そのほとんどで、全滅するということもあるだろう。
特に、
「雇う方とすれば、経験者でないと」
と考えるのは、
「年齢を考えれば当たり前」
ということだ。
「これから、新しく育てる」
などというのは、それこそ、
「現実的ではない」
といえるだろう。
今回決まった会社は、実は、
「以前の会社のライバル」
にもあたるのだった。
最初会社名を見た時、
「これはダメかな?」
と思ったが、何とか面接もそつなくこなし、入社できたのだった。
後で聞いた話では、
「もちろん、君のことは知っていたさ。だけど、それでひいきをするつもりもないし、相手の会社の情報を得ようなどという気持ちもなかった」
というのだ。
そもそも、
「合併された会社」
ということで、今は、
「システム移行などというものが行われている」
ということであろう。
だから、
「教えてもらった」
としても、それは、
「あくまでも、旧システム」
ということで、
「何の足しにもならない」
ということになるのだ。
今回の会社合併というのは、
「大量リストラ」
という意味では、
「ひどい目に遭った」
ということであろうが、就活ということに関しては、
「功を奏した」
ということだったのではないだろうか?
それを考えると、ことわざとしての、
「捨てる神あれば拾う神あり」
といったところであろうか。
就職できれば、結構とんとん拍子だった。
「相手が欲しがっている人材」
ということで、しかも、
「営業効果にも影響してくる」
ということで、ありがたがられるという感じであった。
就活が終わって、半年の研修期間というのは、実にあっという間ということであった。
元々、会社を辞めることになって、確かに年齢的なものであったり、世論の一般的な話を聞いていれば、
「職を選ばなければ、何とかなる」
ということであった。
確かに、
「人手不足」
などと言われている。
もっとも、そういう職種というと、
「看護」
「介護」
などの分野であれば、
「資格が必要」
ということであり、それよりも、
「想像以上の肉体労働」
ということになる。。
つまり、
「体力ということになると、絶対的に若い人が有利だ」
ということになるだろう。
実際に、
「何とかなる」
と思っていた、単純作業のような職種を、ネットで選んだり、職安からの紹介で行ってはみたが、そのすべてに、
「今回は縁がなかったということで」
ということになるのだ。
やはり、
「肉体労働や、客商売の経験がない」
ということと、年齢的なもので弾かれるということであった。
応募がある先をいくつか面接に行ったが、結局、
「肉体労働ですが、大丈夫ですか?」
と言われ、
さらに、
「経験はないんですね」
と念を押されたのを思い出すと、
「同じ時期に応募した若い経験のある人に決まったんだな」
と考えるのだった。
実際に、
「どうしてダメだったんですか?」
と聞いてみると、
「20代の若い人に決まった」
ということであった。
「自分が面接官でも同じだろうな」
と考えてしまったのだ。
そこで考えたのが、
「人材派遣会社からの紹介」
という形である。
そうすれば、自分で探して、他の人と同じレベルでの応募となるわけで、同じ立場であれば、若い人が有利なのは当たり前であろう。
となると、
「人材斡旋の会社」
であったり、
「職安のような公的機関」
というものに、
「人材あっせん」
という会社も少なくはない。
その中には、
「経験を生かした職探しを主に考えている」
というところもあり、
「そこからの紹介」
ということであれば、
「段階というのは結構あるかも知れないが、着実にゴールにたどり着ける」
ということであった。
もっとも、このメリットというのは、
「途中に、派遣会社が絡んでいる」
ということで、
「給料が、直接契約よりも高い」
ということが言えるかも知れない。
ただ、メリットもあれば、デメリットもある。
つまりは、まずデメリットとして、
「登録しても、すぐに、自分に合う仕事があるかどうかわからない」
ということ、さらに、もう一つとすれば、
「派遣先の会社から、派遣会社をきる」
ということで、いきなり切られることもある。
ということだ。
ただ、これは、個人契約でも同じことなので、そこまで考えることはないかも知れない。
それよりもメリットとしては、
「派遣先をきられたとしても、派遣会社に登録していれば、次の会社を見つけやすいということもある」
というのだ。
また一から登録しなおして、派遣会社に自分のことを知ってもらうという必要がないということである。
そういう意味で、
「派遣、斡旋会社を途中にかます」
というのは、
「他でも職を探せる」
ということから、
「就活を行う上での、一つのツール」
と考えれば、十分にありなことだといえるだろう。
だから、今回の就活は、実際には、そのメリットやデメリットを、
「肌で味わう」
というところまではいっていなかったが、
「勉強にはなった」
と思ったのだった。
そこまで、切羽詰まった状態になることもなく、何とか、就職できたのは、ありがたかったといってもいいだろう。
就職してから、最初の3か月くらいは、
「会社を知る」
ということで、いろいろな部署を見て勉強するという形であったが、その時点で、弾く先が決まるのだが、
「最初から決まっていた」
と言わんばかりに、
「宣伝部への配属」
ということで、辞令が下りたのだった。
とはいえ、研修期間というものが終わったわけではなく
「あと3か月は、配属部署内における研修」
ということであった。
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