翅ートリトマー

「ここは私がやる。

君は、

さっき言った通り一階の確認をしてきて。」

 

そう言われ、確認をしに行った。

毎回君って言ってくるけど、

 大黒透也って名前あるのにさ。

 

 多分、大人数で崇拝するための部屋。

子供達を一時的に預かるための部屋。

勉強するための部屋。

談笑するための部屋。

 

「意外といい所なんだ。」

 

ボソッと呟いて、確認をする。

中庭が見える廊下。

そこを渡り、確認すれば最後。


先程のように、一部屋一部屋確認をする。

 

「なんでここだけ窓がないんだろ。

日光がないからくらいな、」

 

 そう独り言を言いながら確認する。

 この離れは、

仮眠室、物置部屋のような住むための部屋、

これが大量にあるだけだった。

 何故か、申し訳ない気持ちでいた時、

最奥の部屋が見え、

やっと帰れるという

なんとも言えない気持ちになった。

 

扉を開けようとすると、変な匂いがしてくる。

 イカ臭さと、変な匂い。

香水とか、そんな感じではない。

「嫌だな。」

と思い扉を開ける。

 目に飛び込んできたのは、

裸で、両手両足を四箇所に引っ張られ

固定されて気を失っている、

女子高生くらいの女の子がいた。

 

 周りには、薬物の敷き詰められた木箱や、

使用されたと思われる物。

そして、女の子の排泄物。

薬漬けにする時に固定されたのかな。

 

女の子を解放し、

羽織っている上着を着させ、

医療班のいる場所へ連れていこうとした時、

 

「お母さん。」

 

とだけ言いまた、気を失った。

 

いくつになっても、

母を憎めず、

どんな仕打ちをされようが、

心配する。

 

 酷い話だ。

 

 「異能力―――正夢」

 

優しく手のひらを女子高生の額にあて、

能力を発動する。

 

「辛くて、愛おしいね」

 

そういい、

涙を流しながら医療班の元へ行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る