第6話 執事とメイドは学園でも注目される

 あっという間に1週間が経ち、私たちがダイヤ学園に入学する日となった。今年は王族も準王族も入学する年だから入学者が多かったらしい。だからなのかしら…


「あそこもあそこも…もう友人ができたのかしらね。」

「お嬢様、馬車から降りてください。降りてから見てください。遅刻しますよ。」

「…私にも緊張くらいありますのよ?」

「とっとと降りてください。」


 メルトに催促され私とメルト、カノンは馬車を降りる。すると黄色い歓声が聞こえてくる。


「あれが準王族、クリスタル家の…美しい。」

「あの方がミカエル王子の婚約者…お似合いね。」

「絵になるなぁ…是非お近づきに…」


 私への歓声なんて舞踏会でも聞いていたので気にならないわ。でも…


「カノン様…綺麗だなぁ…」

「婚約者いないんだろ?もしかしたら俺が…」

「あぁ言う女ほど…」


 カノンに変な目を向けるな!!カノンは私のよ!!ただでさえ最近はメルトに取られかけているのに!!


「カノンあまり離れない様にしておけ。」

「は、はい。」

「お嬢様、講堂への道を聞いて参りますので少々失礼します。」


 メルトが上級生だろうか。案内をしている2人の女学生のもとへと向かう。案の定メルトもイケメンだから女学生も当然頬を赤らめる。それを見て対照的にカノンの顔は暗くなっていく。


「カノン?大丈夫かしら?」

「えーと、どうしてですか?」

「顔が暗いから具合が悪いのかと…」

「大丈夫です。お嬢様。少し人酔いしただけかと…」

「入学式終わるまでは我慢できるかしら?」

「はい。大丈夫です。」


 するとメルトが帰ってきて…


「行動への道は聞いてきた。案内する。」

「えぇ、お願いするわ」

「…それとカノン体調が優れない様なら養護室に行くぞ。」

「大丈夫です。少し人酔いしただけですので…」

「お嬢様。申し訳ないのですがお一人で入学式に出ていただいてもよろしいでしょうか。俺はこの真っ青になった病人を連れいてく義務ができましたので。」

「許可するわ。行ってきなさい。」

「感謝します。」


 そう言って私に道だけ教えてカノンを連れて行ってしまったわ。全くカナンのためとはいえ主人の傍を離れるなんて…あとで褒めて使わさないとよね!!


「メルトくん…私は大丈夫ですから…」

「黙ってろ。俺の勝手だ。」

「はい。…ありがとうございます。」


 そうこう話している内に2人は養護室の目の前まで来ていた。メルトがドアのノックするが返事がない。それ故にドアノブを捻り中に入ろうとした時…


「新入生かな?養護室の前にいるという事は…」

「どちら様で?」


 後ろから聞こててきた声に咄嗟にメルトが反応する。2人が後ろを振り返るとそこには上級生らしき少女がいた。背丈はとても低いが風格がある。


「私はルシア・クローズ。あんたらの先輩よ!!」

「大きい声を出すな。病人がいる。」

「え?あ?え?あ、ごめん。そうだったね!!」

「だからうるさい。」

「ごめんなさい…」


 ルシアと名乗る先輩はしゅん…と落ち着いた。忙しい先輩である。背は小さく上着を肩からかけるだけのスタイル。銀髪のツインテール。


「それで彼女を養護室で寝かせられるか?」

「一応先輩だから敬語!!」

「うるさい。」

「あっ、ごめん。」

「彼女、人酔いしたらしくて。頼んでもいいだろうか。俺は入学式に出てこなくてはならない。」

「そう、行ってらっしゃい!!後は先輩に任せなさい!!」

「うるさい。」

「あっ!!ごめん!!」

「うるさ…もう言わないが彼女のためにも静かにしてやれ。」


 メルトは黙らせるのを諦めた。そして入学式に向かおうと後ろを向いた瞬間に…


「ねぇ…3つ質問!!」

「なんだ?先輩」

「彼女の名前は?」

「カノン・エメラルド。」

「あなたの名前は?」

「メルト・ティフォール。」

「へぇ〜、付き人姫と星喰の箱ねぇ〜。」

「…その呼び方はやめろ。」

「ごめんなさいね!!じゃあ最後の質問ね!!


2人はどういう関係!!」


「エミリー・クリスタル…彼女の執事とメイドだ。」

「…ふーん。そういうことにしとくわ。」

「最後に彼女の症状は人酔いでいいのね??」

「あぁ、人酔いらしい。後は頼んだ。」

「任せなさい!!後輩!!」


 ルシアの大きい返事を聞いたメルトがその場魔法か何かで姿をから消す。そしてその場に残された先輩は後輩に…


「ねぇ、カノンさん?」


 先輩の呼びかけに後輩がびくっ!!っと身体で驚きを表す。続けて先輩が質問する。


「人酔い…じゃないよね??」


 その問いに対して後輩が答える。


「…その…なんでかわからないのですが…メルトく…様が他のご令嬢に講堂への行き方を訪ねられた時にその…少し良いなと思ってしまい…顔に出ていたようで…」

「ふーん、ねぇ?2人は婚約者(フィアンセ)なの?」

「い!いえ!!まだ…そのような関係では…お嬢様のこともございますので…」

 

 ふーん…てことはこれから?などと思いつつルシアは養護室に後輩を入れるのであった。









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うちの執事とメイドはできるかもしれない @2121501

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